よたよたと歩く私の横を、巨象のような漆黒のミニバンが音もなく走り過ぎていきます。運転しているのは、まだ20代と思われる若い男性。何の脈略もなく「この人たちはこれから、どんどん足し算をしていくんだな」と思ったのです。
それと同時に「しばらく前から、オレは引き算だけどね」なんて思う訳です。別に悔しくも、寂しくもなく。誰が何と言おうとも、誰が何と励ましてくれても、私がやっているのは紛れもなく撤退戦。
一番分かりやすいのは「お金」の引き算で、一応まだ働いているとは言え、新卒1年目の社員程度の収入なので、税金だ、保険だ、エネルギー価格の高騰だ、乾燥機が壊れた、なんて、四方八方からクレクレと手が伸びてきて、とても今の収入だけではまかない切れません。毎月毎月、引き算が続きます。
次は「健康」の引き算です。心臓のことはさておいて、ここしばらく急速に視力が落ちてしまったのです。以前は矯正して右1.0、左0.5程度だったのが、1月の健康診断では右0.5、左0.2程度しかありませんでした。日常生活に特別の支障はないにしても、車の運転をするには少々ヤバいので、近々にも視力の再検査+眼鏡の作り直しをしないといけません。おっと、また「お金」の引き算発生です。
引き算はどんどん続きます。ほとんど着る機会がないからといって、2年前に大量にスーツを捨てたのですが、それでも数着あったものを、ついに夏冬1着ずつを残して、捨ててしまいました。カバンもそうで、仕事で使う様なものを一つだけ残して、これも捨てました。
もうスーツを着て仕事をすることは金輪際あり得ないと判断したのです。残したものは面接用ですが、これにしても果たして「スーツ」で出掛ける必要があるのかしらん。2年前は多少なりとも「寂しい」思いがしましたが、今回はあっさりと、さっぱりと。
それから、お付き合いがどんどん小さくなっていきます。親しくしてもらっている友人は変わらないのですが、親戚関係がどんどん縮小していて、きっと冠婚葬祭も周辺で起きているのでしょうが、動静が私の耳に届くのは年末の「喪中のハガキ」だけになってきました。
元からそんなに濃厚にお付き合いをしてきた訳ではないことから、「喪中のハガキ」で本当につながりが打ち止めになってしまいます。正直、顔も思い出せない親戚が多いのですが。
そんなこんなで引き算が続いて、最後は「0」になるのか、はたまた「マイナス」になるのか。90歳まで何とか生きてやろうと思っている私としては結構に心配をしているのです。年金には頑張ってもらわなければなりません。期待しています。
そろそろ「動画編集」なんぞに手を出してみようかと思っています。昔、Windows7にオマケでついてきた「MovieMaker」とかは、使って遊んでいたんですけどね。旅行で撮影した動画にタイトル付けたりして、それっぽくして。
動画や音声のライブラリが提供されていて、今風の効果なんかもいろいろ使えて、初心者にも分かりやすくて、ネットを探すと使い方のノウハウ情報が簡単に手に入るもの。そんな編集ツールを探しています。最近はこういうものも「サブスク」なんですね。月額で1,000円くらい。先ずは定番の「猫動画」から始めますかね。