今日は番外です。早期退職を思案したり、再就職でバタバタとしていたときに効き目のあった「心のお薬」を紹介します。早期退職を会社に申請する前3ヶ月＋受理された後3ヶ月の半年程度の間、飲んだり塗ったり注射したりした「お薬」です。
当たり前のことですが、辛いと思うことや思案に暮れてしまうことなど、できれば起きない方がいいに決まっています。「苦労は売ってでもしない方がよい」と私は思っています。けれど、何かの拍子にそんなものが降りかかってくることが誰にでもある様に思うのです。早期退職についても、何度となく考えて、その末に自分や家族のためによかれと思いした「前向きな決断」であったにも関わらず、いざそれが動き始めると思いもよらぬことが次から次に起き、更には迷いや後悔や不安といったネガティブな考えが自分の中に生まれてきます。
けれど、動き出した小さなボートはどこかにたどり着かねばなりません。今もまだ「早期退職はよい決断だったの？」と自問することがある私ですが、何となく「一番大変だったな」と思う時期は脱した様に思います。だって、今は毎日がそこそこに楽しいのですから。それは、ただ「何となく慣れてきた」だけなのかも知れませんが…
前置きが気絶する程に長くなりましたが、いよいよ「お薬」のご紹介です。
【１】放置
この間、カミさんが会話において、早期退職に関することをただの一度も話題にすることはありませんでした。これは助かりました。ただでさえ「早期退職、しなければよかったかな」などと自分の判断が失敗ではないかと後ろめたい思いがしているのです。そんなときに「根掘り葉掘り」聞かれたら、カチンと来て、そのあとに相当に凹んだに違いありません。思いやりだったのか、信頼していたのか、無関心だったのか、真相は不明です。
【２】散歩
何か考えがぐるぐると巡ってしまい、落ち着かないときはよく散歩に行きました。スマホと小銭だけ持って、大体は家から3km程離れた大きな川まで、とぼとぼ、よたよたと歩いていきました。スマホで音楽を聴いたり、自販機で暖かい飲物を買ったりしながら。川まで着くと今度は土手の上を歩きました。土手の上で行き交う自転車やランナーを見ながら、自分を世界でただ一人の「行き先が定まっていない」人の様に思ったものです。まぁ、されど、図々しくそれまでも生きてきた私ですので、深刻さは大して長続きもせず、帰り道、家に一番近いコンビ二で缶ビールや缶ハイボールなどを買っては「ぷしゅ」とプルトップを開けたりしていたのです。あれ、沁みたなぁ。
【３】少し不幸な中高年の話（記事など）
こういう「やさぐれて」いるときには、立派な教訓も、感動的な映画も、美しい音楽も大して心には響かないのです。ネットで見つけた「自分に近い境遇で、少しだけ不幸な他人の話」というのが、荒れた心を何となくなだめてくれたのです。お仲間発見！もしかしたらオレはまだ幸せなの？ ちょっと一息つけるという感じです。いやはや、もう人間のクズですね。皆さんはそんなことありません？ えっ、このブログが「それにあたる」？ 失礼しました。お役に立てれば幸いです。
ちなみに、「人生の楽園」というTV番組がありますよね。中高年が自由を求め、奮闘、努力した結果、報われて、今は幸せになっているというアレです。この時期、この番組を見るのは危険です。何も踏み出していない自分と比べて、登場される方々が神々しく見え、ますます自分の無力さを感じたりしたのです。番組に一切の非はありませんがね。
【４】おいしいもの
まぁ、一番よく効いたお薬は「おいしいものを食べること」でした。おいしいものを食べて、お湯でいっぱいの浴槽にざぶんと入れば、「まぁ、何があっても、命までとられることはないよね」と呑気にリフレッシュをすることができました。ちなみに、浴槽からお湯を溢れ出させて入浴することは、精神科の先生もオススメのストレス解消、気分転換法だそうですよ。
お酒？ お薬なのか毒なのか？ これは何とも言えません。キライではありませんが、いろいろと弱っている状態での部屋飲み、まぁ、美味しくはありませんでした。幸いなことに大した量が飲めないので、眠くなって勝手にお開きになっていました。お酒に強いと「毒」だったのかもしれません。
【おまけ】おーちゃん（メインクーン）
それから、愛猫のおーちゃんです。ずっとそばにいてくれて、本当に感謝しています。ずいぶんともふもふに癒されました。
ううむ、こうやって書き出してみると、「お薬」というよりも、ただの「幸せな日々」の情景の様になってしまいました。まぁ、人間、多少のことでは「つぶれない」訳です。何十年も満員電車に揺られて会社に通い、大して役には立たなかったけれど、いないよりはマシだったと自分を称えている、このオレをなめるなよ ってところですかね。
