年末年始に撮り溜めた「テレビ番組」をBGVとしてダラダラと流しながら、大好きな「片付け」をしています。世界の論点を頭のよい人たちがキレイに整理してくれた「欲望の資本主義」なんてNHKの番組を有難く拝見したりしています。
私ごときは広大な砂浜の一粒の砂の様なものなので、世界に対して何も作用を及ぼすことはありませんが、何となく番組の内容に納得したりすると「今を生きている」みたいな感じがしてうれしかったりします。番組制作者の苦労が実った瞬間です。ありがとう、私でも少し分かりましたよ。
内容はともかくとして、世界を語る「知の巨人」の方々がここ数年で急激に老け込んでしまったことにショックを受けました。著作をいつも楽しませてもらってきたエマニュエル・トッドさんなどは最初画面に出てきたとき、印象が変わってしまって、キャプションが出るまで、誰だか分かりませんでした。本人曰く「71歳なのでもはや引退する年齢」なんだそうです。
ジャック・アタリさんにいたっては、改めて年齢を確認すると今年80歳になるのです。何だか全体の印象からシャープさがなくなってしまいました。こんなに頭のよい人たち、常に頭をフル回転させている人たちに対しても、老いは平等に訪れることを思いました。
まぁ、このお二人に限らず、登場したセンセイ方、みんな、発言は相も変わらず「スルドイ」んですけどね。何だか弘法大師に向かって「字、上手ですね」と言っているみたいな感想ですね、恥ずかしい…
一方で、国内の物価データ分析を行う企業の会議風景の映像には「若いなぁ」と目を丸くしてしまいました。大半が20代後半の人たちが堂々と自分の考え、自分が導き出した答えを発表する。そして、それを巧みに納得できるメッセージへと造形していく上司にしても、まだ30代、もしくはそのあたりの年齢の様子です。当たり前ですが、世界はとっくの昔にこういった人たちが回していたのです。
昔、40代になった頃に、プロ野球の選手の殆どが「年下」であることに気付き、驚いたことを思いだしました。今では監督ですら、60歳の私よりもセンパイなのは、タイガースの岡田監督とジャイアンツの原監督しかいないのです。逆にルーキーの選手にいたっては「18歳」ですからね。
自分より若い人たちが、それぞれに自分を表現すべく、いろいろなところで頑張っている。お正月から改めてそんなことを思いました。邪魔をせず、意地悪な視線を向けず、ましてや年甲斐もなく妬まない、「そこ」にはいないものとして彼ら、彼女らを全力応援です。あんまり、難しい仕組みや仕掛けは作らないでね。
とは言っても私にも私の場所があります。世界の片隅、本当にこれ以上ない「隅」がですけどね。それにしても早く「野球の季節」が始まらないかな。スケジュールを確かめると、3/9からWBC、3/30からプロ野球とMLBが開幕とのこと。それまで冬眠してしまおうかしら。