シニア対象というか、求人全般、特に低賃金での求人に「異変」が起きている様子です。今日は少し、そのことについて書いてみます。

最近はよく「人手不足」とか「人がいない」といった話を聞きます。テレビやネットのニュースだけでなく、この間も街を歩いていてすれ違った女性ふたりが「人がいないのよ、どこもかしこも」なんて会話をしていたのが耳に入りました。きっと「本当のこと」なんでしょう。

特に、「時給」で募集されている仕事は、最低賃金をかなり上回る求人条件でも人が集まらないそうです。観光業、飲食、販売、物流…どこも人が集まらない。この国の場合、「低賃金の仕事=キツイ仕事」という何だかおかしなことが、永年に渡って続いてきましたが、いよいよこの悪しき状況が変わるのかも知れません。

いつからか過剰サービスが当たり前になってしまい、現場ではどんどん「やること」が増えていく。こんな現状を知ってか知らずか、相変わらず「ホスピタリティ向上」なんて無理難題がビジネスの競争力向上に欠かせないものとして、「エラい人たち」に唱えられ続けています。現場の給料が少しも上がらず、働く環境も改善されないにも関わらず。

よいものを生み出すには、働く人の満足が欠かせないなんて、子供でも分かることです。海外では「時給」ベースの仕事の方が、所謂給与ベースの仕事よりも時給換算では、賃金が高いなんて、聞いたことがあります。

この国の製品やサービスが高い品質を維持できているのは、ひとえに現場の良心の様なものに支えられているからに他なりません。「安い労働力で高い品質」なんて、そもそもが無理な話なのです。身分制度がある訳じゃあるまいし。

これ、経営する立場の人たちの「考え方」の問題だけではなく、多くの人が口にする「自己責任」というキツイ言葉にも、今までこの構造が許されてきた原因がある様に思います。運が良いときがあれば、悪いときもある。調子がよいときがあれば、悪いときもある。自分で動かせるものもあれば、動かせないものもある。そんな当たり前のことが分かっていれば、他人が辛い立場にいるときに「自己責任」論を声高に唱えて、無理を強いたり、「イヤならいいんだよ」なんて切り捨てられないと思いますけどね。

そう遠くない未来に、AIがホワイトカラーの仕事の多くを奪う状況が現出しそうです。そうなったときにも、今の「時給」ベースの仕事は無くなることはないでしょうし、快適で安全な社会を維持するためには、今以上に欠かせないものになっているハズです。これが「AIとの共存」という未来の姿の様にも思えます。

そろそろ「シフトチェンジ」をするタイミングに来ているのかも知れません。過剰なサービスを止めて、「安い労働力」だけを望むのではなく、品質のよい製品・サービスを提供するために、働く人たちに十分に報いる。

また、働く方も「求められる仕事」に必要な技術を得るために「リスキリング」を欠かさずに、行政もその支援を行っていく。その場限りの援助金をバラまくだけでなく。それから、年老いて劣化する人間を補助するためにこそ、ITなどの高度技術をフル活用してもらえるとよいなぁと思ったりします。おじいさんでも「まだまだイケる」様な気がします。

(バイアスが掛かったそんな視点で)シニア向けの求人サイトを改めて眺めると、求人数、仕事の種類が先月に比べて「ぐん」と増えている様に思います。経済が再び活性化してきたことに加えて、これまで新年度に向けて求人をしてきたのが、思いのほか人が集まらず、再度の「大募集」になっているのかも知れません。心なしか給与/時給も上がっている様な。とにかく、みんなが気持ちよく働けるといいなぁ。

まぁ、他人事ではありませんので、然るべきタイミングが来たら、じっくりと次の仕事を探したいと思います。もうおじいさんですし、気持ちよく、好きな仕事ができたら、あまりお金には拘らないんですけどね。

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