「一番近くに戻ってくるのは、一番遠くまで行った振り子」なんて、しばしば耳にする言葉です。本当にそうだなぁと近頃思ったりするのです。そう、「安い努力」をしても得られるのは「安い満足」だけ。そして、ただただ失望するのです。そんなに上手くはいきませんよね。
会社というところでは「オマエ、要領が悪いな、周りを上手く使うんだよ」なんてことをよく言われます。周囲の人たちを巻き込んで成果を得る、間違えではありませんが、「安い努力」で「大きな満足」を得ることを覚えていってしまいます。これ、退職して、再就職先を探す段になって、「太平洋ひとりぼっち」ならぬ「中高年労働市場ひとりぼっち」の状態で、これをやろうとすると、イタイ目に遇うのです。
既に今の私たちは、かつての様に「周囲のお互いがよく知っている世界」には生きていないのです。これまでは互いが慮って「何とかして」くれていたのです。だから、そこを離れて、これまでの様に立ち回ると、上手くやったつもりが、結局は失敗をしてしまいます。
「大して苦労せずに再就職先が見つかったよ」なんて喜んでいると、そこは別に誰でもよかったところで、しかも「おいしそうな求人」が頻繁に出るということは、大体が職場に問題があるのです。勿論、「その職場で何が起きているか」なんてことは求人誌には載っていません。パワハラが放置されていたり、人間関係がぐちゃぐちゃだったりとか。そんなに甘くはないのです。
さて、どうしましょうか。「安い努力」を繰り返して、奇跡的に「大きな満足」に出会うのを待つか、しばし、時間を掛けて「それなりの努力」をして、「それなりの満足」を手にいれることを目指すのか。もう、「この年だから」何て諦めずに職業訓練校あたりに通って、技術や知識を身に付けるなんて選択肢もあるのです。実際に60歳を過ぎても入校する人も結構にいるのです。
「西之島」という新しく生まれた島を研究して、太古の地球生誕の謎を解こうとする研究者の人たちのTV番組をみて、彼らががあまりに「楽しそう」だったので、少しうらやましくなったのです。得意の「ないものねだり」ってやつですけどね。
きっと、彼らが膨大な時間を使って、自らの手を動かして、地道な作業を続けてきたことが、そこに繋がったことは想像に難くありません。
自分はどんな生き方ができただろうか、今更ながらに考えてしまうことがあります。そんなことを考えても「既に遅い」のか「まだ時間はある」のか。「今日が人生で一番若い日」って言う名言もありますからね、カンタンに諦めずにいろいろと考えてみることにしましょう。
※「今日が人生で一番若い日」って、1960年代のアメリカで流行した「Today is the first day of the rest of your life 」という言葉が元ネタらしいですよ