最初にお断りしておきますが、このエントリーに「お得な情報」がある訳ではありません。後で「あー、損した!」とか「あー、騙された!」とか言わないでね。
どうにも退職してから、関心のある情報が「お得系」に偏っている様な気がしてなりません。もともと「ケチ」で「旨い話」が大好きなのですが、昔はもう少し社会動向などにも自然と目配りをしていたのです。ところが最近ときたら、世界で起きていることよりも「お得な情報」を最優先に見に行ってしまうのです。「セール」か「節税」か「制度」か。
2023年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されるのですが、この内容を正しく(ある程度ですが)理解したのだって、ついこの間という始末です。
※ご存知のとおり、適格請求書(インボイス)を発行しない様な小規模事業者(年度売上1000万円未満)はこれから「企業」との取引は難しくなるでしょうし、今まで消費税納税額の分だけ得をしてきたこれらの免税事業者はインボイス制度により納税義務が生じることになるのです。
今よりももっと「楽に」「あまり人に気遣うことなく」「長い間」働くことができるならば、個人事業主という「明るい未来」だって、自分の可能性としてあるのかな、などという甘い考えを持っているにも関わらず… ひどいものです。まぁ、きちんと「適格請求書発行事業者」に登録して、納税をすればいいだけなんですけどね。
「お得な情報」が気になることの背景にあるものは、やはり「お金」に関する恐怖なのだと思うのです。頼みの年金をもらうのはまだしばらく先だし、そもそも年金はどんどん減額されているし、世界経済の破綻も近いと脅かされていて投資も怖いし、目をむく程に税金は高いし、物価は上がる一方だし…
「希望」か「恐怖」か、人を動かすのはどちらかによりますが、退職者に「希望」を持て!というのは無理な話です。そもそもが「終わりよければすべてよし」とはならないのが、ほとんどの退職者の現実かと思います。もう誰も救ってくれませんしね。
テレビ通販利用者の購入理由で一番多いのが「お得感があるから」だそうです。「これから30分間限定で1万円割引」「今ならもう一つ差し上げます」、最近のテレビの通販CMときたら、必ず最後に「ちょっと待った~!」とか大音声でこんなことを言う様になっています。これ、「損失回避」という人間の心理をついたものだそうです。自分だけ損をしたくはありませんよね。「お金」に関する恐怖もなく、よいものを値段も気にせずに買えるのであれば、こういうマーケティングプログラムもスルーできるのにね、救われない話です。
「お得な情報」に飛びついてしまい、「お得」だったことはあまり無いようにも思います。セールに関する「お得」の場合には、不要なものを大量に買ってしまい、結局は「食べない」「使わない」ということになりガチです。当たり前ですけれど、「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」というのが結局は一番の「お得」なんですよね。とは言ってもamazonさんの年に一度のセール、今日(7/13)が最終日なんですよね。困りました。