今年(2022年)の桜の開花予想、東京地方は3月19日となっています。そこから5日後あたりが、丁度「見頃」となりますから、3月末から4月頭に掛けて、一斉に街中が淡い桜色に染まります。昨年のこの頃は、前の職場を早期退職し、有給休暇を消化している期間だったのです。
自由というよりは、何だか心細い思いで桜の花を眺めていたことを思い出しました。
転職市場というか、転職の求人は1月~3月が最も多く、年末年始時期が一番少ないと言われています。やはり、4月から新しい会計年度が始まる企業が多く、これに合わせて新しい組織編制に切り替える、また、定年となる従業員が退職するといったことが起きるタイミングである訳です。
資本金1億円以上の企業の約50%が3月決算とのことなので、2月~3月は多くの企業で、営業は営業で頑張る、製造は製造で頑張る、物流は物流で頑張る、スタッフはスタッフで頑張ると大忙しになります。私はこんな喧噪に身を置くことは二度とありませんがね。
さて、スパっと引退しちゃう、雇用延長するという選択肢以外を選ぶと、「転職」「再雇用」に私たち中高年もチャレンジをすることになります。そして、何とか採用までこぎつけると、晴れて「入社」を迎えます。不安でドキドキします。
これまでは、職場に中途採用のメンバーを迎え、「今度、ここに来てくれることになったxxさんです。みんな早く会社や仕事に馴染める様に助けてあげて下さい」などと、部下に話していた「あなた」が逆の立場になります。そうか、アイツ、あの時、こんな気持ちだったのかとはじめて分かります。いろんな経験を積まないと人の気持ちは分からないものです。
株式会社ビズヒッツさんのとても新しいアンケート調査が公開されていましたので、そちらを出典として「最新の転職者の気持ち」を考えてみます。
※以下出典:株式会社ビズヒッツ 新しい職場で不安になることランキングと就職・転職先での不安解消方法(2022.2)
Q:新しい職場で働くときに不安を感じるか
A:不安を感じる(97.2%)
そうですよね。採用時にいろいろと話は聞かせてもらってはいても、転職は結婚と同じで「実際はしてみないと分からない」ものなのですから。
Q:どんなことに不安になりますか ※回答総数 n=491
A:1位 職場の人間関係・雰囲気(417)、2位 仕事をこなせるか(51)、3位 スキルが見合っているか(13)
人間関係、圧倒的です。まぁ、退職の原因の1位が人間関係なのですから、新しい職場ではどうなるんだろうという心配が当然に起こる訳です。当たり前のことですが、どこにでも自分にとって「苦手な人」「イヤだと思える人」はいる訳です。これは相手の問題ではなく自分の問題なので、きっと、これからどこに行っても「苦手な人」を見つけてしまいます。たまに「サイコパス」という人種に運悪く遭遇することもありますが。
「苦手な人」を発見したときの接し方、人生経験豊富なみなさんのことですから、対処法は私があれこれ言うまでもありません。私? 私はしばらくそのままにして普通に時間を過ごしていきます。すると、どこかのタイミングで相手を理解できる小さな出来事が起きて、少しずつ苦手が薄らいでいく、大体、こんな感じですかね。
Q:不安解消のために新しい職場で意識していること ※回答総数 n=500
A:1位 コミュニケーションを大切にする(222)、2位 早く仕事を覚える(105)、3位 謙虚に振る舞う(61)、4位 礼儀やマナーに気を配る(46)
よくある失敗というのが「気を配り過ぎてしまい、自滅する」というケースだと思います。大した転職回数がある訳ではない私がエラそうに言うと「早く仕事を覚える」が基本だと思っています。そうすると必然的に周囲から仕事を教えてもらわねばならず、そこでコミュニケーションが生まれ、自分の人柄も理解してもらえる様に思っています。
中高年の転職は多くの場合「年下の上司」の下で働くことになるので、「礼儀やマナー」というのは「基本のキ」ですよね。(多くの場合)相手もスゴく年長者には気を使っているのです。ついつい前職で身に着いた「オラオラ」体質が顔を出しそうになる方、ご注意を。
いろいろと心配はしていても、桜の季節が終わり、ゴールデンウィークで一息つく頃には何となく「しっくり」来ているハズです。それでもしっくりこなければ…そのときはそのときです。
今年はまだ「お花見」も「新人歓迎会」も見送りとなりそうです。これは不幸中の幸いです。あなたが長年磨いてきた「芸」や、カラオケで披露する「十八番」により気分を害する被害者を新たに生み出す心配が一つ減ったのですから。まぁ、しばらくは大人しくしていることにしましょう。