モノにしろ、頭の中のことにしろ、そのままに「放っておく」とすぐに混乱が始まってしまい、自然と元に戻ることはありません。「エントロピーの法則」は正しい訳です。で、結局は一日中、何かしら片付け続けることになります。

通販で買ったものが家に届けば梱包材を片付けて、買ったものを置いておく場所を確保するために別のモノを動かし、それが今まであったモノとの置き換えであれば、古いモノを片付ける。そんなことをしている中に部屋中を片付けることになる。

何かを決めるために新しい情報を詰め込むと、それを整理して利用できる様にするために、不要な情報は考えの外に片付ける、忘れる。実際には起きもしないことに悩んで、頭の中に負のイメージでいっぱいにするも、結局それは杞憂にすぎないことが分かり、負のイメージが瞬時に一掃される。

お金の計算や、今月の予定をまとめたりするのに表計算ソフトでファイルを作るものの「作ったこと」すら忘れてしまい、しばらくして「これは何?」と発掘されて、残しておいても削除する。これはブラウザに登録させたブックマークも同じ。何でこんなサイトを見ていたんだろう? 何の迷いもなくどんどん削除。

古い写真が大量に発掘されて、そのままに捨てるのも何だか後で後悔をしそうなので、スキャナーの上に丁寧に並べて、イメージファイルとして保存する。この地道な作業に何日も費やし、さらにはイメージ化後の写真をシュレッターするのにまた時間を掛ける。

部屋の中に散らばっている様々なガラクタをいつか使う日が来ると信じて、「似たようなもの」を集めては透明のケースに入れてラベルシールを貼り、これを更に大きな透明のケースに入れて、納戸に積み上げる。恐らく二度と実体が使われることのないものが「情報」としてアーカイヴされる。

とにかく日常で発生する「ゴミ」を自治体のルールに従って分別し、今や有料である指定の色違いのゴミ袋に入れて、収集日には忘れずにゴミ回収の集積場所まで運んでおく。細かいルールまで無駄に覚えてしまい、カミさんがルーズに分別しているとそれは違うと指摘して家の空気が悪くなる。

今度、一日の中でどれくらいの時間「片付けている」のか計ってみましょうか。何だか絶望的な数字を目にしそうです。とは言っても「片付ける」と気持ちが晴れるんですよね。さて、明日は何を「片付け」ますかね。

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