家のポストにはいろんなものが日々投函されます。私はダイレクトメールや役所からの広報誌、近所のお店の案内などポストに入っているものならば、ほぼすべてに目を通しています。自由な時間が欲しくて、早期退職を選択した身ですので、目的叶って、時間だけは余裕があるのです。

さすがに美容室や学習塾の案内などはほぼ瞬殺ですが、自治体の配布物は好物で、市報、図書館だより、市議会通信といったものについては、隅から隅まできちんと読んだりしています。但し、それは私が所謂「意識が高い系のリベラルな中高年(老人)」という訳ではなく、お得なことが書かれていないかという「さもしい思い」に突き動かされてのことなのです。野菜くずから堆肥を作る装置(バケツ?)やら、防災用無線の受信機やら、私の好奇心を刺激するものが「無料」で手に入れることができたりします。また、結構に有名な方が講師となって無料のセミナーが開催されたりもしています。これまでも行政はいろんなことを住民にしてくれていたのでしょうが、こちらがその情報をキャッチできなかったのです。惜しいことをしました。

さて、私は庭いじり(格好よく言うとガーデニング)が好きで、種やら球根やら1万円程度を毎年購入しています。ほぼ購入先は決まっていて、大手の種苗販売業である「タキイ」(タキイ種苗株式会社)のネット通販にお世話になっています。

タキイネット通販

https://shop.takii.co.jp/


勿論、直接にWEBサイトを見てオーダすることもできますが、タキイさんは年に2回?でしょうか、300ページを超える立派なカタログを送ってくれるので、専らこのカタログを眺めてはオーダするものを決め、最後にネットから購入手続きをしています。


そして、数日前に、遂に待望の最新号が家のポストに投函されたのです!胸が高鳴りました。
このカタログは毎回、私にとって素晴らしい贈り物です。オールカラーのカタログのページからは、花木、野菜、肥料や各種の周辺商品の情報があふれ出しています。いつまでも、何度でもニタニタしながらページをめくり、気に入ったものがあれば、ページの耳を折っておきます。(ちなみに、本のページを折ることをドッグイアー~dog earと言いますが、私のカタログは犬の耳だらけになります)
今回のカタログは「2022年春号」です。まだ、本格的な冬も来ていないのに「春号」なのです。大体、素人のガーデニングは12月~2月の間はお休みとなります。今年は夏以降で随分と庭木を伐採したので、その枝の片付けをする必要から、私はまだしばらくは庭に出て、がしゃがしゃと作業をしますが、普段の年であれば、今の時期には3月になるまでは、滅多に庭に出ることもありません。

その巣ごもりの間、やがて来る春を夢見ては、また、飽きることもなくこのカタログを見るのです。
ページをいったり来たり、ページの間に指をはさんでは他のページと見比べたり、これはネットやデジタル書籍では到底味わえない「優雅なアナログの楽しみ」なのです。

カタログ通販のビジネスモデルは、インターネットによるECの伸長により斜陽化している様子で、ここしばらくずっと売上高が減少しています。通販の市場規模が約12兆円、その中で今やカタログ通販は10%にも満たない規模で、今後も減少の傾向と分析されています。
他のカタログ通販業者のものと同様に、いやそれ以上に、タキイさんのカタログは大変に手の込んだ、あまりに美しいもので、「いったいどれだけお金が掛かっているのだろう」と心配になる程の素晴らしい出来なのです。(大ファンなので賛辞であれば、いくらでも書くことができますよ!)
年間に僅か1万円程度しか購入しない、まったく優良ではない顧客は小さな声でタキイさんにお願いをするのです。「いつまでもカタログ通販を止めないでね」と。

家のポストに投函されたステキなギフトで、今年の冬も楽しませてもらいます。

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