退職願を提出して、これが受理されたことから、いよいよ7月末で退職するが「決まり」ました。35年+2年+αの間、ずっと「雇用主から給料をもらう:サラリーマン」でしたので、これから、今まで未経験だった無職を始めることになります。こんな年になっても「未経験」はまだまだ沢山あるんですね。
それで、この機会に、何か「記念品」を買いたいと思っています。退職の際に、会社の同僚からプレゼントを頂戴したりするのですが、それとは別に「あのとき」(無職になった日)を自分に留めておくための記号だったり、トリガーとして「記念品」を自分で選ぶことを考えています。
昔から、旅行先で小さくて妙なものを土産物屋さんで、つい買ってしまいます。他人が見たら、ゴミそのものだったりします。スノードームとか、木彫りの人形とか、ブリキのロボットとか、ピンバッチとか、そういうものです。
けれど、そういうものを見ると、確かにあのとき、あそこに行ったなぁと鮮明に記憶が蘇ってきて、楽しかった思い出を無限に反芻することができます。私は「モノ」と記憶を紐付け、それを手元に置いておくことが、とても好きなのです。
それで、こんな「旅行の土産」みたいなものを「初無職の記念品」として、手に入れておきたいと考えているのです。実用性ナシでOK!、価値のあるもの/上等なものでなくともOK!、「他人にセンスいいですね」などと評価されなくてOK!、だけど、一目みれば「あの頃、あんな感じだったよね」とか、「あそこで買ったんだよね」とかいう記憶がすぐに脳底から取り出せるものがベストです。
今のところ、「記憶との紐付け強度」が一番高そうなのが、今の仕事の最終日、仕事が終わった後に、近くのお店に飛び込んで、パッと目についたものを購入するというプランです。お店は文具店でも、場合によってはコンビニでもいいんです。大事なのは「無職になって初めて買った」という付加価値?付きのモノを入手することなのですから。さすがに食べ物はダメですけどね。
実は学校を出てから35年間働いた会社を辞めて、(無職期間「0」日で)再就職をしたときに、「初めての再就職の記念品」を買いました。結構に値が張ったものをWEBのギフトサイトで見つけて購入。ところが、宅配便で家に届いたときの記憶は既になく、それを今眺めても、「あの時に通販で買ったのね」程度にしか思えなかったりするのです。とてもよい品で、今も便利に使っているのですが、「物語」がないというか、何というか…
今回の「無職」は、次に仕事につく日までの短い期間のものだと考えているので、思う存分にその間の心細さとか、社会からの疎外感?みたいなものを「なるほどね」と感じてみたいと思っています。けれど、そんな不謹慎なことを考えていると、神さまの逆鱗に触れて「無職」が延々と続いてしまうかもしれませんね。否、神さまはそんな人ではないハズです。
そんなときは「初めて無職で買ったもの」を眺めるのもいいかなと思っています。そこには教訓も、決意じみたものもないのですが、「まぁ、そういうことだよね」と少し落ち着くことができそうですから。少なくとも、「無職の始まりの時」は思い出せる訳で。あのとき、あそこに自分がいたことの証明です。
2年前に買った「会社をやめるときの手続き」に関する本を部屋の中から発掘して、ぱらぱらと目を通してみました。心配性なので、読み始めてすぐに、チェックリストを作り始めてしまいました。病院での検査が続いていて、手術・療養のスケジュールがまだ確定しないというのに。こういうチマチマした作業って、楽しいなぁ。