最近「XXXの養分になる」という言い方をよく見たり、聞いたりします。主に「情報商材」と呼ばれる「ノウハウ教えます」といった情報提供(紙、セミナー、動画など)に、結構なお金を支払ってしまうときに使われる表現の様子です。

人によっては「よかったよ、役に立った」なんてこともあるでしょうから、内容に関しては誰かがとやかく言うことではありません。本を買っても、映画を見ても「全然ダメ、つまらなかった」ということはあるのですから。

「養分になってしまう」ことの背景にあるのは「簡単に何かを得たい」という発想の様に思います。これ、高額の「情報商材」だけでなく、世の中に満ちている「ビジネス本」「生き方本」についても、それを手にする人の心に同じものがある様に思います。すると、私なんか昔から随分たくさんの人たちの養分になってきた訳です。

そんなに簡単に「欲しかった考え、欲しかった言葉」が見つかるとは思ってはいなくても、ついついこの手のものにすがってしまう。不安や苦しさを覚えているにも関わらず、ちゃっかりと「楽して答えを見つけたい」と考えてしまいます。そんなことだから「養分」になってしまうんです! とほほ… さすがに近頃はこの手の本を読むこともなくなりましたけれど。

最近では「投資」だとか「自宅でできるビジネス」なんてあたりに「情報商材」が多く用意されている様子です。さすがにセミリタイアした身としては、高額の「情報商材」に支払うお金も自由にはならず、もはや「養分にすらなれない」のです。

こういうものにお金を使うことも含めて「いろいろな目にあって」、自分の考えや自分の言葉を見つけていくしかないので、一概に「他人の養分になる」ことも悪くはないのかも知れません。大ケガをしない限りは。

1ヶ月前くらいに「求人サイト」ではなく「独立・開業・起業サイト」というところを興味本位で覗いたことがあって、余り考えもなく無料の会員登録というのをしたのです。その日以来、毎日、何通もの「あなたに最適の独立プラン」といったメールが届きます。いわゆるフランチャイズビジネスからの案内です。

案内にある「成功はあなたの頑張り次第です」という言葉のとおりだとは思いますが、その「頑張り」がどの位大変かは想像が付きます。若くて馬力がある頃ならばともかく、60歳の身としては、メールで送られてきた「私の独立プラン」は選択の遥かに外側ということになります。それにしてもスゴイ数の案内が送られてきますよ、驚く程に。

「世の中は仕組みを作ったものの勝ち」なのだそうですから、結局は私たちは大概のことをしても「誰かの養分」になっているのでしょう。資本主義というのは、そもそもそういうものですし。「誰かの養分」になる一方で、しっかりとそこで得たものが「自分の養分」になる、そんな納得が大事に思います。

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