今日から3月、気候も春らしくなって、夕方までは部屋に暖房も入れずに過ごしました。来週になると再び寒くなるらしいけれど。三寒四温、昔の人は上手いことを言ったものです。3日寒い日が続くけれど、それから4日間は温かい。これがいつの間にか「ずっと温かい」になって、桜が咲いて、新入社員が通勤電車に乗ってきて、新入生がランドセルを背負って、オジイサンは正体もない程に眠くなります。
音楽を聴いていると、ときどき妙に心に残る歌詞に出会うことがあります。今日のエントリのタイトルである「心配事も少ない」というのは、BUMP OF CHIKENというグループの大ヒット曲「天体観測」(2001年)に出て来るフレーズです。
この曲は幼かった頃を振り返りながら、今も同じ気持ちのままで営々と毎日を過ごしている自分の現在地を歌ったもので、私は恥ずかしながら最近初めて「まともに」知ったのです。ようつべでは1.3億回以上も視聴されていて、きっと私以外のみんながよく知っていた名曲です。ホントにいい曲。
人は幾つになっても「心配」から解放されることがありません。若い頃は若い頃の、老いてからは老いてからの心配があります。また、漠然としたものもあれば、具体的な内容のものもあります。更には「自分で解決できる」ものと、「自分ではどうしようもない」ものがあったりします。
私は子供の頃から今に至るまで人一倍の「心配しい」なので、悩んだり困ったりする必要もない大量の「心配」をずっと背中に背負ったまま生きてきました。とは言っても「心配」というのは、その瞬間に一番気になったものが心の中を占拠してしまうので、同時に複数のことを思い悩みはしないんですけどね。
シニア、高齢者の悩みは大別するに「健康」(含:介護)、「お金」(含:相続)、「孤独」なのだそうです。それでその中心にあるのは「お金」の様に思うのです。「お金じゃないよ、愛だよ」「お金よりも大事なものがあるよ」と異論はあるでしょうし、そういう人もいるのでしょう。
けれど、お金はあって困るものでもないし、かさばらないし、いろいろなものと交換できるし、とにかく多くの問題、心配事を解決してくれるものであるのは間違いがありません。だから、最近の若い人たちが資産形成に高い関心を持っているのを「流石だな」と感心してしまうのです。今の若い連中は優秀だよ。
それで、最近の私は「心配事も少なくなった」と思っていて、何気に以前よりも気持ちが「楽」だったりします。これは「宝くじが当たった」とか「株が化けた」とか「庭から石油が出た」といったことで、「お金」の心配が無くなったからではありません。
「心配事が少なくなった」ことの理由ですが、先ずは「現役」を終えたことがある様に思うのです。今もひーひー言いながら働いていますが、ただただ忙しいだけで、背負う責任も範囲が限定されているので、昔よりもストレスというか、精神的な圧迫が桁違いに減ったのです。つまり、働くことに関する「心配事」の大部分がスカッと無くなった訳です。それに今は職場の「人」にも恵まれていますからね。
次は「年金受給」を予定する65歳が見えてきたことにあります。4月には63歳になるんですよ、私。これはストレートに「年金」という安定収入が得られる時期が近付いてきたので、まだ年金を受給する前ではありますが、「お金」に関わる心配事が相当に軽減されたのです。お迎えが来るまでの間、「何とかなるでしょ」と呑気に言える感じがしているのです。
ちなみに「年金」を受給し始めると、働くことの意味が、今よりも更に随分と変わる様な気がしていて、改めて「あんなこともしてみたい」なんて思ったりしているのです。趣味でもいいんですけど、「お金」を貰って働くというのは「額」の問題以前に、ウレシイじゃないですか。
そして、最近は、いろいろな心配事やら後悔やらといったものは「全部まとめてあの世に持って行こう」と思うことにしているのです。無責任で、身勝手で、いい加減な話ですよね。だけど、もはや自分では解決したり、好転させたりができないことはそうするしかできません。
忘れることはしないけれど、ずっとそのことで思い案じるのではなく、「あの世での裁き」を覚悟して、問題を先延ばししているのです。ごめんなさい。誰も救わずに、自分だけ楽になっているのです。
それでも「心配事」は次から次へと降りかかってきますが、正直、可愛らしいものばかりです。私は「健康」や「孤独」に関しては、ほとんど悩むこと、心配事はありません。そうなったら、そうなっただけのことですから。それよりも、冷蔵庫にある食品の賞味期限とか、車のガソリンが無くなっていたなぁとか、そんなことばかりを心配しているのです。きっと、今は幸せなのでしょうね。
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忘れていましたよ。重大な「心配事」がありました。それは愛猫に関わるすべてです。「ごはんを食べる量が少ない」「ずっと寝てばかりいる」「高いところにジャンプできなくなった」… 本当に何もかもが心配です。生き物と一緒に暮らす家の人は、みんなそうだと思いますけれど。