郊外の昼間の街中は「老人の海」ですが、都心では、自分よりも遥かに若い世代の人々が忙しそうに行き交い、否が応でも「自分は既に別の世界の人」と思わされることになります。横断歩道の青信号が点滅しても、もはや走ってはいけません。転ぶか、ポケットからスマホが落ちるか、信号が赤になっても横断歩道を渡り切れずに信号待ちの車のドライバーに「ちっ」と言われるかです。

「骨抜きにされる」なんていうと誰かにラブラブみたいな文脈で使うことが多いのですが、今日のエントリは勿論そちら方面ではありません。「物事の中心となる部分が失われて、空疎なものに成り下がること。肝心な中身がなくなること」(実用日本語表現辞典 )についてです。

雇用延長を選択した場合にはあまりそんなことを感じる機会はないと思いますが、「再就職」をすると新しい会社での処遇などを通じて「中高年は骨抜き」にされることが起きたりします。とは言っても、若い上司や周囲の人にイジワルをされるなんてことは、余程のブラック企業でなければありません。安心して下さい。

「そんなこと全然気にしない」という人もいるでしょうが、再就職をして最初の頃、私が少なからずショックを感じたのが「名刺」がない ということだったのです。考えれば当たり前のことです。だって私が担当している仕事では「社外の人」と直接に面会したり、その後、そことの接点の管理を任されたりすることはないのですから。

けれど、学校を卒業してから35年もの間、自分の小さな分身の様だった「名刺」がないというのは、とても寂しく、「骨抜きにされた」様に思えたのです。まぁ、つまらないものが私の「中心」の一部だった訳です。あははは。

笑い話で退職後に「元日本XX株式会社 営業部長」という肩書が入った名刺を自分で作るという話がありますが、何となく気持ちは分かるのです。けれど、これ貰った方は、どうしていいんだか困ってしまうし、何よりも滑稽で哀れです。それに退職した会社から「偽造名刺?」として問題視されかねません。ちなみにラクスルだと名刺100枚499円~で作れるそうです。まぁ、流石に私は作りませんがね。

 

何か機械モノの設定をするというのが、最近の私にとっては大変によい「精神安定剤」になっています。以前からジャンクPCの再生などを好んでやっていたのですが、何日もかけて、お金を使ってという「大掛かりなもの」はここしばらくお休みをしていたのです。流石にまたそんなことを始める気力も今はなく、「不便だけど使えるからいいや」として放置していたものを少しづつ「整えて」います。何となく「オレはまだイケるぜ」みたいに思えたりします。

昨日は10年以上も前に使っていた「無線LANコンバーター」をおもちゃ箱から引っ張り出して、再度使い始めたのです。すっかり設定の方法などは忘れていたのですが、随分前に販売停止になっているにも関わらずメーカーのWEBサイトにはまだきちんとサポートページがあり、マニュアルやら設定用ツールなどを入手し、何ら問題なく設定を終えることができました。

少し感動したのは、そんな古い機器であっても、メーカーが最新のOSで動作検証をやってくれていたのです。何と誰も使っていないWindows11まで。「買ってもらった後のサポートはコストなんだから、適当な時期に切り上げる」という姿勢の会社が殆どと思いますが、流石です、BUFFALO。

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