とてもよいイスと最低限の用をなすオッドマン(足おき)を手に入れ、これで、何時間でもゆっくり本を読めるぞ!と思ったのも束の間のことでした。実際に試してみると「暗い」のです。本を読むのにはムリな暗さなのです。 机の上を照らすライトはあっても、机を背にして、部屋の真ん中に向けて足を投げ出し、本を広げた私の手元を照らす光源までは思いが及ばなかったのです。詰めが甘すぎました。
無いのであれば、手に入れねばなりません。私のへんてこりんな要求を満たすものをネットを使って世界の隅々まで探したのですが、見当たらず、余りにストレートな解決を自力で図ることにしました。それは、天井から、丁度私の手元あたりを目掛けて電球を吊り下げることです。電球のソケットと5mほどの電源ケーブルを買い、天井にアンカーをうち、ここにフックを仕掛け、するすると裸電球を吊り下げました。結果としては見事に手元が明るくなりました。しかし、あまりに不細工なしつらえで、とても、異様な光景となっています。ちんまりとした小市民の部屋に突如現れた非現実なシュールレアリスムの趣です。そもそも「本を読む私」などというものを見るのは愛描のおーちゃんぐらいなので、それでも、よしとしますが、この妥協を余り長続きせさせる自信はありません。(おーちゃんはブラブラと揺れる電球に少し興味がある様子です。いつか飛び付くかもしれません)
必要は発明の母といいます。どこにいても最適な照明が手元にあてられるといったものがあれば、部屋の活用、自分自身のレイアウトが格段に自由になります。そこで、いくつか馬鹿馬鹿しいアイデアを考えてみることにしました。
①ドローンがホバリングして、そこから投光してくれる →音さえしなければこれは最高です
②天井にレールを張り巡らせ、光が欲しい座標に向けてピンスポットライトをコンピュータ制御でレール上 を移動させ、指定した場所で天井から狙い撃ちで投光してくれる →これも相当によい感じです
③ヘッドバンドライトのライト部分を「チョウチンアンコウの提灯」(誘引突起というそうです)の様なものにして、手元に投光する →これは近しい発想のものがamazonで発見されましたが、売れ筋商品ではないところをみるときっと致命的にダメな部分があるのです。容易に想像がつきますが、頭や肩が凝る+光量が足りないという感じです
④本の方に小さくても明るいクリップ状のライトをつける →これはそのものズバリのものがamazonで発見されましたが、これも③同様にきっと「ダメ」な子なのです。第一、本が重くなってきっとすぐにイヤになるのです
⑤バックライトのあるデバイスで電子書籍を読む →まぁ、これからの世の中の変化も考えると妥当な策はこれ一択の様にも思いますが、私は化石の様な人間なので、紙の媒体でないと本が楽しめないのです
誰か①②を安価で実現してくれると有り難いのですが、そもそも「照明があるところで本を読めばよいのでは」といった明らかな正解があることから、いくら待ってもムダの様に思います。
時間があると、いろんなことを考えて、間違った選択、間違った判断をするという格好の事例となりました。中国の古い書物で説かれている「小人閑居して不善をなす」を自ら立証した訳です。しかし、まぁ、達成感だけはあって、毎日奇妙な光景で読書を楽しむことに「今は」満足をしているのです。