いよいよ来週から10月になります。今勤めている会社は会計年度が10月~9月なので、「今年度」は明日限りということになります。通年で継続的なサービスを提供しているビジネスモデルなので、「年度末の追い込み」といった慌ただしい空気感はありません。

それに年度末のイベントといったものもありません。昔からイベントが好きではない私としたら、こういう「粛々と毎日が過ぎていく」というのはとても有難かったりします。きっと、明日(9/30)もフツーに始まって、フツーに終わることでしょう。うれしい。

今、「孤独とつながりの消費論」(三浦展さん)という本を読んでいるのですが、ここ20年位の私たちの「消費動向」のことがキレイに分析、整理されていて、「なるほど」と感心しているのです。

「序」の部分で、この本で紹介、展開される内容の概要が書かれています。ここ20年余りの「脱消費的消費」とは、①安いものを買う ②中古品を買う ③タダでもらう ④物を直して使う ⑤自分で物を売る ⑥自分で作る ⑦物をあげたり、もらったり という特徴があるのだそうです。

勿論、これは一朝一夕に突然こうなったのではなく、ここ20年程度の間に私たちが「進化」?したのです。そして、これ、すべての根っ子にあるものが「知識の獲得」なのでしょう。(当たり前のことを書いていて恥ずかしい…)

インターネットの普及と「検索」エンジンが、世界中の知識、情報を誰でもが瞬時に入手できる様にしてくれました。これには世界に遍在する「知識、情報」をネットに公開するという気が遠くなる様な行為を、人類やAIがせっせと繰り返していることが前提になっているんですけどね。

その結果、「世の中にはこんなことがあるんだ」という発見を誰でも簡単にできる様になり、そこに自分の「好き」を見つけ、「好き」が「好き」を呼び、やがて自分だけの「価値観」が醸成されていく。だから、「孤独」なのかも知れないれど。

もはや、どこかの誰かが仕掛けた「流行」や「お仕着せの価値観」をそのままに受け入れるなんてことは起きようがありません。だから、みんながこぞって同じ服を着たり、同じモノを買ったりなんてことは起きないのです。それに「高価なモノ」を所有するのがエライ?という価値観も崩壊の寸前の様に思えます。車も時計もブランド品も。

それに、一時期マーケティングの専門家の様な人たちが、これからは「モノではなくコト」「エクスペリエンス(経験)の時代」みたいなことを言って、皆に新しい呪いをかけていましたが、これもまた、今となってはピント外れの様に思えます。

モノでもコトでもエクスペリエンスでも、何でもいいんですよ。みんなが自分の「好き」をを、誰にも同調する圧力を掛けられずにする。いい時代になった様に思います。経済的な価値に振り回されずに、こんな肩の凝らない世界が実現したのは、この国が不景気になって、自由に使えるお金が無くなったおかげかも知れません。

大してお金が無くても、「好き」ができる世界を、この国の人たちは皆で密かに20年かけて作ってきた様に思います。そして、これからの20年、更に世界は、この国の人たちの生活はどう変わるんでしょうね。まぁ、その位先までしか、多分見れないけれど。ワクワクします。

*****
この週末、相変わらず体調が悪くて、大して何もできませんでしたが、家の中の「不具合」を幾つか解決することができました。切れかかっていたキッチンの蛍光灯を交換した、段ボールを資源ゴミの日に出せる様に畳んだ、WiFiが届き辛かった部屋があったので中継器を設置した… 小さな達成感に救われる毎日です。

***
ブログランキングに参加しています。よろしければポチっとお願いします。やる気がでます。