2021年3月に早期退職をする際に「これからは何でもやってみよう」「しばらく休んでいたものを再開しよう」と漠然と考えました。約9ヶ月が過ぎ、まぁまぁいろんなことをしたかなと思っています。そのいい加減な頭の中のリストに「ふるさと納税」がありました。きっと普通に誰もがこの制度を使っている、楽しんでいるものですが、私は「使いそびれて」いて、一度もしたことがなかったのです。
そもそも制度をよく知らなかったので、先ずはネットで調べます。ふるさと納税は実際は「寄付」であり、節税ではないということを知ります。控除により税金が減額されるので「節税」としているサイトなども多いのですが、そもそも、事前にこちらから相当分を支払っているので、節税になっている訳ではありません。それでは何故、人はこぞって、ふるさと納税をするのでしょうか。それは「納税先(寄付先)として選んだ自治体の『返礼品』」が2,000円相当以上の価値があればお得だよね」というちゃっかりした考えに基づくものです。
私なりに理解した基本的な要件は凡そこんなところ↓です。
①自ら選択した自治体に対してふるさと納税(寄付)をする ②ふるさと納税をした自治体から返礼品をもらえる! ③返礼品はふるさと納税額の3割以下でなければならない ④返礼品に同梱される「寄附金受領証明書」をもって確定申告をする/寄付をした合計金額から2,000円を差し引いた額がすでに納めた所得税や翌年納める住民税から控除される ⑤確定申告は納税者の条件が合えば「ワンストップ特例制度」で代替できる ⑤ふるさと納税ができるのは「納税者」だけ ⑥ふるさと納税ができる金額には納税者の所得などから上限がある ⑦ふるさと納税には現金だけでなく、クレジットカードやamazonペイなどが使える ⑧年中いつでもふるさと納税はできるが、12/31までに申し込んだものが翌年の確定申告の対象になる
※これをお読みの方がふるさと納税をされる際には「信用ができる情報源」から必ずご確認をお願いします
ふるさと納税をするにはサービス業者を利用するのがカンタンなので、比較サイトを眺めて、「楽天ふるさと納税」を使うことにします。理由は、サービス利用に際して楽天のサービス利用者であれば新規のユーザ登録不要、楽天カードで支払うとポイント還元が高いレートでされる というところです。所謂「楽天経済圏」にしっかり取り込まれた訳です。
たくさんの返礼品の中から、私は福井県敦賀市の「カニ」を選択しました。楽天サイトで買い物をするのと、ほぼ同じ手順であっという間に手続きが完了しました。あっけないくらいカンタンでした。
ちなみに最初は出身地に「ふるさと納税」をしようと思っていたのですが、返礼品が魅力的ではなく、あっさり、美味しいものに目がくらんだ訳です。故郷愛に食欲が勝った瞬間でした。後は「カニ」の到着を待つばかりです。
総務省によると、去年(2020年)のふるさと納税の利用者数はおととし(2019年)より100万人以上増えて552万人となり、全国の自治体に寄付された総額も、昨年度(2020年)6725億円と、これまでの最高額を1600億円近く上回ったとのことです。今年はコロナ禍の影響もあり、更に拡大することでしょう。2019年の民間の納税者数(源泉徴収による所得税支払いをしている)は約4,500万人とのことなので、乱暴に計算してしまうと、8人に一人がふるさとの納税を使っているということになるでしょうか。これは想定された数字としては、その多寡が分かりませんが、納税者が自らの意思で行っていることで、この比率を達成するというのは「国民に受け入れられた制度」だと私は思います。
ふるさと納税により、税収が増える自治体と、その分住民税の税収が減る自治体がでる訳ですが、大体の構図としてお金持ちの大都市から、人口が少なく税収の少ない地方へとお金が移動しています。(減収トップ3は横浜/名古屋/大阪) 皆が納得し、楽しみながら地域格差が解消される、(上から目線ですが)この仕組みを考えた人は頭のよい人ですね。
今年(来年)は確定申告をする必要があることから、どうせ手続きをするなら、ひと手間増えても同じとばかりにふるさと納税をしてみました。来年以降も恐らく確定申告で「医療控除」をすることになるので、積極的にふるさと納税制度を使いたいと思っています。今まで縁がなかった地方のことをふるさと納税を通じて知る。関心を持ち知識を得る、返礼品で幸せな気持ちになる、そして、いつか訪ねてみたくなる。まだ返礼品も届いていませんが、すっかりふるさと納税が気に入りました。
年内に届けてもらえるとのことなので、「カニ鍋」に備えて、美味しそうな日本酒も返礼品でもらおうかなと考えたりしています。