細長い筒が宅配便で家に届きました。ネットで注文していたデジカメ写真のポスター印刷が出来上がり、配達されたのです。ワクワクして包装を開けると中からキレイに出来上がった富士山のポスター(B3サイズ)が現れました。こうやって引き延ばしても、美しさが損なわれないとは私の写真の腕も大したものです。(褒めるべきはカメラの方ですが)
画像ファイルのタイムスタンプを見ると2010年8月となっていますので、今から11年も前のものです。当時は既にスマホは登場していましたが、まだまだ写真はデジカメで撮るのが主流でした。しかも、その当時でも最新とは言えないコンパクトデジカメ(有効画素数320万)で撮影したものなので、改めてこの写真のデータの詳細を見ると、容量は僅かに800kb程度の軽いファイルです。最近のスマホのカメラは普通に有効画素1,000万以上のスペックですので、古いデジカメなど出番がなくなる訳です。まぁ、その分、画像ファイルのデータも大きくなりますが、ディスクの価格も下がり、更にはクラウドに保存することも簡単ですので、今やデータサイズを気にする必要もなくなりました。そんな時代が来るとは思いもしませんでした。ちなみに私が最初に自分用に買った外付けのハードディスクは30MBでした。300GBでもなく、30GBでもなく、30MBでした。今ではスマホの動画が1分も保存できません。
そんな「昔の低品質の画像データ」でしたが、引き延ばして印刷しても十分にキレイでしたので、私としては大満足です。早速、このポスターを部屋で邪険にされ、転がっていたポスターフレームに入れます。すると、写真の男前が数段上がりました。これを作業部屋の机の斜め右上の壁に飾ります。大好きなホテルの大好きな部屋から撮った大好きな富士山の写真です。見ているだけで細胞レベルで蘇生がされるのが分かります。(分からない)
私の住む街からも富士山が見えるのです。冬の晴れた夕暮れには、茜色の夕日の果てに一人静かにそびえる富士山が望めます。何か低い音が響いている様にも思えます。私は生まれこそ別の土地ですが、父の仕事の都合でまだ幼いころにこの街に来てから、結婚後の数年を除いてはずっとここで暮らしています。私の住む街から見る富士山、ほど近い麓のホテルから見る富士山、かつては出張の新幹線からみた富士山、どの季節、どの場所から見ても富士山は私を安心させてくれるのです。「大丈夫だよ、私は変わらずここにいるから」と言ってくれている様に思えるのです。
そして、今日からは机から少し目線を移すだけで、その姿をいつでも見ることができる様になりました。