気付けばどこに行っても、電車に乗っても「訪日外国人」がたくさん見受けられる様になりました。偏りなく世界中の人が日本を訪問してくれています。私の職場がある都心の超巨大な繁華街の近くなど、朝昼晩、いつでも外国人で溢れていて、かえって日本語を聞くことの方が少ないぐらいです。それにお店の店員さんは既にほとんどが外国の人ですし。

2023年の訪日外国人数は、2110万人になると予想(JTB調べ)されています。これは過去ピークだった2019年(3188万人)の66.2%で、前年比550.6%ということらしく、去年よりは爆発的に増えたが、コロナ禍前にはもって沢山来ていたよ、ということになります。

何だか、コロナ禍前よりも、ずっと訪日外国人の数が多い様に思えているのは私だけなのでしょうか。勝手な憶測をするならば、今の訪日外国人の人たちって、たった数年前に比べても、随分と「私たちの普段の生活領域」に入って来ている様に思うのです。

コンビニ、フツーの居酒屋、ラーメン屋さん、最近は立ちそばにだって、よくその姿を見受けします。私の隣で巨体の欧州系のおじさんが「天ぷらそば」をすすっていたりします。それに、その先に有名な観光地などないハズの在来線にも一見して訪日外国人の人が乗車していて、「?」と驚かされます。もしかしたら、私が知らない人気スポットが存在しているのかも知れませんけれど。

訪日外国人が日本にやってきて期待するものは、観光名所への訪問、美味しい食べ物、独自の文化体験だといいます。これらも昔とは随分と対象が変化し、また多様化している様にも思います。

最近では「アニメの聖地」を訪ねたり、地獄谷の温泉に浸かるサルを見に行ったり、余程、日本人よりも日本を知っています。それから、以前のエントリでも書きましたが、日本では食べるものは何でも美味しい!との評価が定着している様子で、もはや禁忌など存在しない様子です。昨日もいきなり手羽先屋さんに外国人が乗り込んできて、あれやこれやとつまみを注文してパクついていました。

アニメ、マンガの影響というのも絶大な様子で、その中で描かれている日本、そして日本人に対して、まったく違和感がないというか「あれ、アニメで出てきたよ」と実物を日本でなぞっている様にも思います。「あっ、これこれ」って感じです。だから、日本の日常に入り込むこと自体が「独自の文化体験」「アニメや漫画で知る異世界の体験」なのでしょう。まぁ、ずっと暮らしていると、そんなに面白いもんでもないけどね。

それで、大して日本のことも知らない私ではあっても、訪日外国人に日本旅行でのオススメするエクスペリエンスは何かを考えてみることにします。対象となる訪日外国人とは「外国に暮らす私によく似た人」とします。大して金はないが、ガチャガチャをいろんなことに関心がある初老のオヤジです。日程は三泊四日程度のショートステイです。

一日はざわめく都会を体験してもらうとして、世界一通行する人の多い渋谷の交差点の真ん中に立ってもらいます。一回に3,000人、一日に50万人が行き交います。どうだ、参ったか。

それから、夕暮れ時に新橋~有楽町あたりのガード下の居酒屋でサラリーマンの海に没して、何でもありの食べ物を食べてもらいます。キンキンに冷えたビールで乾杯!です。こんなシーン、よく出てくるでしょ、アニメやマンガに。あなたは今、その異世界にいて、その住人の一人なんですから。

翌日は、富士山と、その巨大な裾野を感じ取れるところに移動です。御殿場や、富士五湖あたりでもいいかもしれません。富士山=不二山、ここも世界に二つとない圧倒的で神秘的な独立峰の全体像を、夕に朝に観てもらいます。快適なホテルに泊まり、きめ細かなスタッフのサービスと最高級のディナーを楽しんでもらいます。どうだ、参ったか。

最終日は、地方の都市をぶらぶらと散歩してもらいます。私たちには当たり前だけれど、訪日外国人の人たちには珍しいものの数々を、どうぞご自分で発見して下さい。少し足を延ばして、農村や漁村に行ってもらってもいいかも知れません。そこもまた「日本」の一部です。この細長い国に流れる、余りに多様な時間にきっと驚くに違いありません。

今は円安でお得に買い物もできますから、いっぱいいろんなところでお金を使っていって下さいな。何でも訪日外国人に人気のお土産の上位は、「和服」「お菓子」「スニーカー」「アニメのフィギュア」なんだとか。海外ブランドのスニーカーも、日本で買う方が安い時代なんですね。

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