現役の頃は、夜に寝付けないと焦ったものです。明日は大事な会議がある(居眠りが心配)とか、資料をまとめ上げねばならない(これまでサボっていた)とか、いろんな思いが頭に中に渦巻いてしまい、余計に眠れなくなってしまう。そんなときのためにみんな「秘策」を持っています。
そんなの「お酒をがーっと飲めばいいじゃん」という反則技がありますが、これ、余計に眠れなくなってしまうこともあったり、何よりも起床時間には「醒めている」ことが必須条件なので、自爆するリスクも高いのです。
’’体重約60kgの成人男性で、1単位(ビール中びん1本、日本酒1合、焼酎0.6合)のアルコールが体内から消えるまでに約3~4時間かかります。2単位では、約6~7時間、3単位では、約9~10時間、4単位では、約12~13時間かかります(これは、あくまで目安です。体格、体質、性別で異なります)。’’ ※アルコール健康医学協会 お酒と健康 飲酒運転防止より引用
車の運転をする方はくれぐれもご注意下さいね。昔は「アルコールは3時間で抜ける」などと勝手なことを言って、翌日仕事があるにも関わらず、ふらふらと2時、3時まで飲んでいたりしたものです。ハハハ、ちっとも抜けてなかったのね。
さて、眠れないときの「秘策」として、自分が長年にわたり頭の中でこしらえてきた自分だけの「おとぎ話」を思い浮かべるなんてことはありません? 何かが、否、何もかもが上手くいってハッピーエンドを迎える。そんな「おとぎ話」です。
私はこんなとき、よく「家庭菜園での大豊作」という「おとぎ話」のことを考えます。大したストーリーがある訳でもなく、「妄想」みたいなものですけどね。長靴を履いて帽子をかぶり、玄関を開けて、家庭菜園まで、大きな「ザル」とハサミを持って歩いていく。(この導入部が大事です) そこには、これまで栽培したことのある野菜たちが「これでもか」という程に瑞々しく実っていて、それを一つ一つ収穫していく。キュウリ、ナス、トマト、トウモロコシ、オクラ、チンゲンサイ、ピーマン、エダマメ、ゴーヤ… 季節も何もかもを無視して、とにかく大豊作です。そんな「おとぎ話」を頭の中で展開している中に眠ってしまいます。子供みたいなもんです。
現役の頃に考えた退職後の「おとぎ話」、結局は誰にも家族にさえ話せなかった「おとぎ話」、いざ足を踏み込んでみると大して面白くもなかった「おとぎ話」。けれど、今ここが「最終到着地」ではないことを信じて、これからだって紡いでいく「おとぎ話」。いいじゃないですか、誰にも迷惑を掛ける訳でもないのですから。まぁ、間違ってこれを聞かされた人にとっては大迷惑かも知れませんけどね。「なんですか、それ?」って感じ。
眠れないときに「羊の数を数える」という対策がありますが、あれ、日本人が日本語でやっても意味ないですよね。英語で「one sheep, two sheep」と数えることに効用がある訳です。sheepがsleepに近い音であること、sheepを発音すると腹式呼吸になって睡眠が促されやすいこと、などが「眠りに導かれる秘密」だとか。それで、sheepは複数形もsheep。