いろいろと痛んでいる人にとって「にんげんだもの」（あいだみつを先生）という有名なフレーズほど救いになるものはありません。みんな分かっているのです。当日になって「今日休みます」と会社に連絡するときの「辛さ」を。本当に休まざるを得ない事情があったとしても、何だか連絡し辛いのに、ましてや「（軽度な）ウソをついて休む」となれば、やましさに圧し潰されそうになりながら、勇気を振り絞って上司に電話をするのです。
「おはようございます。実は今朝、起きましたところ熱が38.5℃ありまして、体もフラつくのです。申し訳ありませんが、本日、お休みを下さい」 やりました。やればできる子です。
まさか、上司が「それじゃ、お大事にね」と言う前に電話を切っていないでしょうね。
「にんげんだもの」、いつも元気で、明るくて、頑張り屋さんの「あなた」だって、どうしても当日になって「休みたい」と思う日があるのです。勿論、頭の中では、「今日休んでも、明日以降でリカバリーできるな」と目算がなされているのです。「あなた」は立派な人です。
ちなみに「当日欠勤」は「有給休暇」に認められないこともあり、ましてや「欠勤申請」（当日連絡）を会社が拒否することもできるのだそうです。詳しくは、詳しい人に聞いていただくとして、注意が必要です。まぁ、多くの場合は「有給休暇の消化率向上」が会社経営の重要課題でもあることから、「それじゃ、有給休暇で勤務表を付けておいてね、お大事に」ということになります。
このエントリを書いていて、ふと、疑問に思ったのです。何故「今日、だるくて、仕事したくないっす、休みまーす」と正直に会社に電話をすることはNGで、「今日、熱があるので休みます」（ウソ）というのはOKなのかと。まぁ、答えとしては「お互いに人間だから」、「人は心で生きているから」というところに落ち着くのでしょう。カイシャは難しいところです。
それでは、みんなの「ズル休み」のアンケート回答を読んで、「あるある」とか言うことにしましょう。
※出典：INOUZTimes編集部 無断欠勤（ズル休み）に関するアンケート（2017.10）
※このアンケートにおける「無断欠勤（ズル休み）」は「当日欠勤」の意味で使用
※回答数：100（正社員 男性48人、女性52人）
<（ズル休みをしたときに）会社への報告は何と言いましたか>
1位 体調不良（73人）、2位 身内の事情（病気、怪我など）（11人）
新人の頃に体調不良（本当）で当日欠勤したのですが、翌日、当時の上司から「新人なんだから、体調不良とか風邪ぐらいで休んじゃ駄目だよ」と叱られたことを今でも覚えています。決してブラックな会社ではなかったのですが、当時はそんな時代だったのです。
今、そんなことを上司が言おうものなら、新人が人事やら総務やら組合やらに駆け込んで大騒ぎです。こってり油をしぼられて、上司だってズル休みしちゃいます。
<ズル休みをした理由はなんですか>
1位 やる気が出ない（31人）、2位 寝坊（15人）、体調不良（15人）、4位 遊び・旅行（13人）
さてさて、「1位 やる気が出ない」というのはズル休みなのか、それとも、立派なメンタル障害なのかということです。そもそも「弱っている」状態なのに、これを「ズル休み」と自分で考えることで、更に自分を追い込んでしまう様な気がします。まぁ、「弱っている心」が重篤化しない中に何とか回復をして下さい。
「2位 寝坊」は多くの人にとって「あるある」です。寝坊した場合、サラリーマンは寝ぼけた頭で瞬時に意思決定をしないといけない事態に陥ります。会社への報告は「寝坊以外」で考えるとして、果たして、「10時出社します」なのか「午前中休みます」なのか「一日休みます」なのかということです。逆に言えば、この決定に基づき、会社への報告内容も変わります。
どうでしょう、「午前中休みます」あたりで手を打つことになるのが妥当な線です。すると、上司への報告（始業10分前）はこんな感じですかね。「おはようございます。朝起きたら頭痛がひどくって、30分程前にバッファリンを飲んだので、少し落ち着いたら出社します。申し訳ありませんが、午後から出社にさせて下さい。いえいえ、大丈夫ですよ課長、一日休む程のことはありません。それに午後はいろいろと予定もありますしね」 見事なリカバリーショットです。寝坊転じて、頑張り屋さんアピール成功です。神さまは電話を聞いてるぞ、きっと。
結局、ズル休みをしても、大したことはできないのです。何となく「やましさ」が自らの体と心を苦しめるのです。昔だとぼーっとテレビを見てるだけ、今だと「ようつべ」を見ているだけ。（注：間違ってもSNSに投稿はしないこと）
昔、体調が悪いといって休んだ女性社員がいて、翌日、出社してきたときに、私はまったく気付かなかったのですが、他の女性社員曰く「あの子、しっかり、美容室行って来たわよ、体調不良で休んだのに」とのことで、「あー、人間の社会とは怖いところだなぁ」と思ったことを思い出しました。今更、猫の森には帰れません。
ちなみに、例え私が同じ状況で、髪をモヒカン刈にして出社したとしても、誰も気付かなかったに違いありません。今じゃ毛量不足でモヒカン刈にもできませんがね。
