私が同世代の仲間たち(あなたと私)に関して、いろいろと考える際の基本的なデータを今日は共有させて下さい。同じ立ち位置で会話をしないと思いも伝わりませんしね。
<0>「中高年」の定義を述べよ
以前のエントリでも書きましたが、私は厚生労働省の高齢者雇用安定法における定義である「45歳以上65歳未満」を中高年としてエントリを書いています。(「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」において、45歳以上の者を「中高年齢者」、65歳以上の者を「高年齢者」としていることから、この間である45歳以上65歳未満を中高年としています)
但し、この定義が広く浸透しているかと言えば、まったくその様なこともなく、各所で、勝手な定義が濫立しています。まぁ、この定義の仕方で怒りだす人も困る人もいないので、緩く考えてもらえばよいのです。「中高年としての誇り」なんて、聞いたことないでしょ。
<1>どのくらいいます?
現在、日本の人口は1億2544万人(2022年1月推定値)で、その中で中高年(45歳以上65歳未満)は3,426万人で、全人口の約27.3%を占めます。4回石を投げると1回は中高年に当たります。一大勢力ですが、一番影が薄い集団です。男女比は男性(1,711万人)、女性(1,709万人)でほぼ同数です。
ちなみに、社会問題化している「中高年のひきこもり」ですが、推定61.3万人(2019年内閣府調査)となっています。(調査対象は40歳~64歳) 全体数が115万人ですので、ひきこもりをしている人の半数以上(約54%)が中高年ということになります。一説では「実際には100万人以上」とも言われており、ひきこもりは子供や若年層の問題ではなく、中高年の誰もが直面する問題なのです。
みんな、疲れたら休んでね。人の心は見えないキズがついたコップの様なものなので、或る日突然に軽い衝撃があっても割れてしまいます。他人事ではないのです。
<2>何をしているのでしょう?
45歳~64歳までの就業者は、2,744万人とされています。(2021年11月:総務省労働力調査) 就業者の全体数(15歳以上)が6,624万人ですから、何と全体の約41.4%は中高年なのです。みんな頑張っているのです。確かに通勤電車に乗ってもオジさんン・オバさんだらけ、お店に行っても働いているのはオジさん・オバさんだらけです。中高年がこの国を動かしています。尚、産業別の従事者は、ほぼ他の年代に準じています。中高年がXX業に多いということはない様子です。
一方で失業者はどうでしょうか。2021年11月の完全失業者は全体で182万人、その中で中高年(45歳~64歳)は71万人です。完全失業率は全体で2.7%なのに対して、中高年前期(45歳~55歳)が2.3%、中高年後期(55歳~64歳)が2.7%ですので、中高年が特別にイタい目にあっていることはありません。但し、回復基調にあるものの「コロナ禍」により、失業率が上がっており、これは中高年も同様です。しかも、中高年の再就職が厳しいことを考えると他の年代よりも厳しい状況にあると言えます。
ちなみに「ひきこもり」(非労働人口)の方は、この「完全失業者」のデータには登場してきません。
<3>お金、どうなってます?
これは所得(賃金)/貯蓄/借入金の3本立てです。尚、これらのデータは各所から報告されていますが、結構に幅がありますので、あくまでも「ご参考」までに。
①賃金:厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によれば、各年代の平均賃金(月)と中央値は次のとおりです。「45歳~49歳(男)の平均賃金(月)は39万円で中央値は36万円」「50歳~54歳(男)の平均賃金(月)は約42万円強で中央値は約39万円」「55歳~59歳(男)の平均賃金(月)は約42万弱で中央値は約38万円」「60歳~64歳(男)の平均賃金(月)は約31万で中央値は約25万円」。
※お断り:賃金に「年間賞与その他特別給与額」は含まれないものと思われます(ゴメンナサイ、きちんと確認をしていません)
※厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html
賃金というか、中高年の所得については、「平均値と中央値」の双方が公表されているものを探したのですが、信頼のできる調査データや、出所が明確なデータがなかなかに見つかりませんでした。結果、「分かりずらい」「本当?」といったものになってしまいました。一番大事なデータなのにゴメンナサイです。次回があるなら、しっかりやります。
②貯蓄:これは数日前の私のエントリ「中高年はFIREの夢を見るか」で紹介したデータを再掲することにします。「40代世帯の平均貯蓄額は1,012万円で中央値は520万円」「50代世帯の平均貯蓄額は1,684万円で中央値は800万円」「60代世帯の平均貯蓄額は1,745万円で、中央値は875万円」。
※金融広報中央委員会の調査(2020年):https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari/2020/20bunruif001.html
③借入金:これも「金融広報中央委員会の調査(2020年)」から、データを拾います。尚、「平均借入残高」「借入残高中央値」はどちらも「借入金残高有」の世代からの回答データとなります。「40代世帯で借入金残高有が64.5%/平均借入残高は2,058万円/借入残高中央値は1,700万円」「50代世帯で借入金残高有が56.1%/平均借入残高は1,316万円/借入残高中央値は1,000万円」「60代世帯で借入金残高有が31.2%/平均借入残高は691万円/借入残高中央値は498万円」。 みんな大変です。40代、50代で住宅ローンを懸命に返して、ある人たちは退職金でこれを完済する、そんなことが見えてくる様に思います。
<4>世代論/新入社員タイプ
今の中高年は、ほぼ「バブル世代」(1965年頃~1980年頃生まれ)です。その前の世代が「しらけ世代」(1950年代~1960年代前半頃生まれ)、その後の世代が「氷河期世代」(1974年頃~1986年頃生まれ)とされています。あまりのいい加減な線引きに驚きです。
これに乗っかって書いてしまいますが、「バブル世代」の多くの人にとっては、幸せな世代でしたね、ここまでは。きっと、「氷河期世代」からするといろいろと許せない世代なのでしょうね。就職苦労してないし、大した実力ないし、たくさんいるし、声でかいし、いつまでも先輩だし(当たり前)、下らないこと考えてるし… そのとおりです、すまん。
「バブル世代」の皆さん、「終わりよければすべてよし」なので、これからの人生、みんな、がんばりましょう!
就職した年毎に付けられた新人の「XX型」的な呼び名が毎年発表されています。その年に流行っていた言葉を巧に使って「新人」の特質に当てはめるという力作が並んでいます。
ちなみに「バブルの王」と呼ばれる平成2年、3年、4年のものを書き出してみます。H2:タイヤチェーン型、H3:お仕立券付ワイシャツ型、H4:バーコード型 如何でしょうか。
最新のものも参考までに書いておきます。R3:仲間が恋しいソロキャンプタイプ だそうです。
■日本生産性本部(2017年まで発表、リンクは最終発表年のもの):https://www.jpc-net.jp/research/detail/002789.html
■産労総合研究所(2018年以降発表、リンクは最新(2021年)のもの):https://www.e-sanro.net/freshers/?page_id=749
また、気になるデータがあれば、エントリ(記事)「データブック2」にしてみたいと思います。ではでは!