音楽アルバムがCDで発売される様になって、しばらくして、それまで収集していたアナログレコードのほとんどを処分してしまいました。中古ショップではまったく値が付かず、結局捨ててしまいました。1000枚近くありました。小学生の頃から、小遣いを貯めたり、昼食を食べずに浮かせたお金で買い集めたものでした。会社に勤め始めてから、結婚をするまでの間ですから、1988年頃のことです。
どうしても捨てられなかったレコードを10枚程、残しました。
※その後、捨ててしまったレコードをCDで大量に「買い直す」ことになりました
デジタル・オーディオ・プレイヤー(iPodなど)が発売される様になって、手持ちのCDをせっせとMP3フォーマットの音声データにしました。そして、その作業が終わると、これらのCDのほとんどを中古CDショップに売ってしまいました。1500枚近くありました。MP3ファイルのタイムスタンプを見るに2005年頃に作業の一段落がついた様子です。CDについてもどうしても手放せなかったものを、20枚程残しました。
こうして、大量のレコードとCDに詰め込まれていた音楽たちは、時を経て、僅か2TB程度の小さなハードディスクに収まることになりました。データは「非圧縮のWAVファイル」と「コンパクトな圧縮フォーマットのMP3」の双方で保存しているので、2TB程度のデータ量となっていますが、MP3ファイルだけだと、150GBにもなりません。すべてをスマホの外部ストレージ(micro SD)に入れてしまうこともできるのです。
昔々、レコードをとっかえひっかえして、何時間も掛けて、ドライブ用のカセットテープを作っていた自分がいじらしく、痛々しくなってきます。
手許に残したレコードとCDは今、部屋の壁面に飾られており、如何なるプレイヤーでも再生されることはありません。壁を見るたびに、何も誇らしいことはありませんでしたが、まずは幸せだった若い日々に何度となく聴いてきた音楽が頭の中で聞こえてきます。昔は1枚のレコードやCDを本当に大切に、繰り返して聴き込んでいたのです。思えば、当時は随分と年上だったハズのミュージシャンたちの年齢を今の自分は遥かに超えてしまいました。そして、その憧れの人たちの多くも、あちらの世界に行ってしまいました。
今もCDを図書館で借りたり、通販で買ったりしますが、すぐにMP3ファイルに変換しては、手放して
しまいます。それに、そもそも音楽を配信で買うことも最近は段々に増えてきました。
私は、CDからデータを抜き出してMP3ファイルにするまでの作業工程を、ほぼその最初の日から変えておらず、ひたすらに非効率に手間を掛けて行っています。同じ作業を変わらぬ手順で行う、既に30年以上も続けているこの「ムダでのろまな時間」が結構に気に入っているのです。
随分と長いブログのエントリになりそうなので、その「変わらぬ手順」は『レコードからデジタルオーディオへ(2)』といたします。