英語学者で評論家の故渡部昇一先生の本を読んでいたら「77歳で2億円を超える借金をして家を建てた」とありました。目的は「自分の全蔵書を書棚に飾り、全蔵書と対面してから死にたい」と願ったからだそうです。また、それまでにも「借金」をしてまでも、お子さんの教育に力を注いだそうです。大きな企みをして、一方で少しも恐れない。さすが「知の巨人」です。

現役を退いて、引退生活に入る、再就職をして第二の職業生活に入る、なんてことになると、多くの場合、皆、これとは逆のことになる訳です。少なからず経済的な不安を感じて、「小さな企み/大きな心配」ばかりをしてしまいます。これを死ぬまで繰り返すのかと思うと本当にうんざりしてしまいます。「予想外の出費」の連続で、ただただ少しずつ貯金が減っていくだけ…

最近はインターネットで所在地を入力すると、数日後にはその「土地/家」の価格を査定してくれるというサービスが幾つもあって「この古家がこんなに高く売れた」などと盛んに広告をしているのです。ついにお金が尽きてしまったら、田畑ならぬ今の住処もお金に変えねばなりませんが、幸いなことに「まだしばらく」は何とかなりそうです。そのためにも細々と「小さな企み」しかできないんですけどね。

けれど、その日のためにも、「我家の値段」をネットの神さまに聞いてみたいとも思うのですが、翌日から山の様にメールが届いたり、電話が鳴り響くのが怖いのです。それに本当はもっと怖いのは「たったこれだけ」と査定されることだったりします。まぁ、私の根拠のない予測によれば、日本の不動産価格は現時点で相当に「安い」ので、これからどんどん上昇していく様にも思っています。そう、「持家」の私にとって、この予測だけが「希望の灯」なのです。「天は自ら助くる者を助く」という格言を知らないのかね、本当に。

回答者が女性限定のアンケート調査ですが「金銭面で65歳になるまでにやっておけばよかったこと」というのを見つけました。即ち、これ、回答者は全員65歳以上な訳で「これからどうする」ということではなく、「後悔してます」っていう調査なので、随分と「どんより」しています。「しくじり先生」アンケートみたいなもので、65歳より若い人にとっては大変に参考になるご意見かと思います。

<金銭面で65歳になるまでにやっておけばよかったこと> ※1位~順に ( )内回答数
貯金(140)/リタイア後の年金暮らしを設計する(58)/個人年金への加入(52)/株式投資(22)/生命保険・医療保険への加入(15)/生命保険・医療保険の整理・解約(12)/固定電話の解約(10)/家を買う(7)/再就職(6)/不動産の整理・売却(5)/ローンの完済(5)/葬儀の準備(5)/不動産投資(5)/家を買わずに賃貸のままでいる(3)/墓を買う(3)/サブスクリプション・携帯電話の解約(3)/持ち株の整理・売却(2)/ファイナンシャルプランナーへの相談(2)
※出典:介護ポストセブン 「65才になるまでにやっておけばよかったこと」(2021.4)

ずらっと並べると、何だか壮観ですね。これ、恐らく「単一回答」の様子なので、回答者の感性というか、考え方によって、随分と答えが分散しています。面白いのは「正反対のこと」が「後悔」として顔を出すことです。

[生命保険・医療保険への加入-生命保険・医療保険の整理・解約]、[家を買う-不動産の整理・売却]、[家を買う-家を買わずに賃貸のままでいる]… まぁ、お金をどう工面していくかということには100%の正解はないということですかね。

ちなみに私は保険については前に勤めていた会社を辞めるタイミングで、「見直し」を図りました。10年程前にちょっとした手術をしたのですが、そのときに掛かった凡そ30万円の費用がすべて保険で賄えたことから「やっぱり死ぬまで医療保険は必要かな」と思い、死亡保険金はほんの僅かで、通院/入院/手術に関する保障が厚いものに変更したのです。それに、保険を掛けておくと、病気をしたり、(早くには)死んだりしないというのが世の常の様ですし。

1位の貯金はともかくとして、2位の「リタイア後の年金暮らしを設計する」というのは、例え65歳までにFPさんと一緒に精密なものを作ったとしても、「気分が暗くなり」、更には実際には「全然そのとおりにならない」と思うので、却ってその時になって「何とかなっています」という方がよいのかも知れません。年金暮らしとは違いますが、「早期退職後の1年間」で、Excelを駆使した私の「お金プラン」など、もはや跡形もありません。今月だって、こんなに光熱費が上がるとは…

憂鬱に似ているものに「U2」があります。私なんぞが若い頃からずっとロックのスーパースターであり続けているのですが、「真剣にロックやっています」みたいなスタンスがどうも苦手で、私は昔からご遠慮させていただいてきたのです。

たまに何かの「社会活動の現場」に登場してニュースになるのですが、「変わらねぇなぁ」とそれはそれで妙に安心したりもするのです。この間もウクライナの地下鉄で歌を歌っていましたっけ。まぁ、メンバーの年も近いし、お互いこれからも頑張ろうぜって感じですかね。

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