私たちが生きているのは「その後の物語」です。子供の頃からずーっと紡いできた「成長」の物語が、人知れず終わりを告げ、気付けば「その後の物語」を生きています。それが幾つのときなのかは、人それぞれではありますが。

野球、サッカー、オリンピック…そんな舞台で活躍した選手たちは、その殆どが40歳を前にして「その後の物語」に向き合うことになります。サラリーマンなんて、40歳だとまだ「若手」だったりするのに、アスリートというのは大変です。

かつての名選手たちの「その後の物語」は、華麗にタレントに転身をしたり、スポーツ番組で解説をしたり、講演会の講師に飛び回ったりとそれなりに「引く手あまた」です。一方でチャンスを掴めなかった「その他大勢」は、「その後の物語」なんてセンチなことを言ってはおられずに、「これからの物語」を始めなければなりません。厳しい世界です。

先日、フィギュアスケートのNHK杯を見ていたら、男子シングルで優勝した鍵山選手の現在のコーチが、かつての女子フィギュアの世界No.1選手だったカロリーナ・コストナーさんであることを知って、本当にびっくりしました。

コーチとして、決して目立つことなく、こまめに動き回り、指導する鍵山選手の動きに真剣な眼差しを向けるコストナーさんの姿が画面にちらっと映る度に、素晴らしい「その後の物語」を過ごしているなとうれしくなりました。

きっと、これから、何人もの名選手たちがコストナーさんの教えの下に、自分の花を開花させることでしょう。彼女の「その後の物語」が本当に楽しみです。それに、何だかコストナーさん、本当はこういうことをしたかったんじゃないかなと思ったりもしたのです。そのくらい「しっくり」きていましたからね。

映画でも、小説でも人の心を引き付ける名作が沢山ありますが、誰か、これらの後日談を作ってくれないものでしょうか。すっかり体が動かなくなって引退したスパイの「その後の物語」、世界を救ってくれたスーパーヒーローが安楽椅子で静かに時間を過ごす「その後の物語」。きっと、彼ら、彼女らの何気ない日常の姿に、不思議な感動をおぼえて、涙がこぼれるのです。

華々しい大活躍も、陽のあたる場所に縁がなかったとしても、私たちも自分だけの「その後の物語」のページをめくり始めます。それが、誰にも邪魔されず、自分が愛するものだけを集めた素晴らしい物語になるといいんですけどね。

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カレンダーも残すところ後1枚になりました。月日が経つのは本当に早いものです。このカレンダー、だれんだー? 彼んだー。こういうつまらないことって、きっと死ぬまで忘れないんですよ。さてと、明日からコートでも着始めますかね。

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