高級車もいらなければ、高い時計も、ブランドの服もいりません。ましてや最新のスペックのPCやスマホにも食指が伸びません。法外に高いものを除いては、決して買えない訳ではないんですけどね。負け惜しみや、強がっている訳じゃないんですよ。（半分はウソ）
ついこの間までは、あれやこれやとモノを欲しがる物欲王だったのに、どう変化なのでしょう。何やら嫌のことが起きる前兆では….
誰もが知っているとおり、本当は「モノ」自体には何の価値もなくて、「モノ」がもたらしてくれるものの方に価値があるのです。よく例えに出されるでしょ、穴が必要であって、ドリルが欲しい訳じゃないって。
ということは、「何も欲しいものが無い」というのは、モノを所有することで得られる何かにまったく価値を見出せなくなったのかも知れません。そもそも「モノを所有することで得られる何か」なんて、ありはしないのに、随分と若い頃はムダなお金を使ったものです。
その反面、自分の身体に快適さをもたらせてくれる「実利的もの」については、是非手に入れたいと最近は強く思うのです。例えば、ゆったりとした服とか、ウエストがゴムのスラックスとか、幅広の靴とか。
昔、そんな恰好をしたお年寄りを「あんな風には成りたくないよね」なんて思っていたことを深く詫びると共に、「快適」を求めて正直に生きる人たちを改めてすげーなぁと尊敬する次第なのです。
いつまでも「シャキっ」としたお年寄りの方がきっと世間受けはよいのでしょうが、見苦しくなければ「快適さ」を優先して、素直に脱力して「もう、それで結構です」という潔さの方を私は断然選んでしまいます。
そんな思いの根っ子にあるものは、果たして何なんでしょうね。もはやこの先に何も楽しいものは待っていないという諦めと失意の心か、それとも気付かぬうちに進んでいる身体の老化か、はたまた「大事にお金を使わなくちゃ」という潜在意識が行動を左右しているのか。まぁ、兎も角、この心境というのは「必然の理」ということで、今の思いに素直を従うことにいたしましょう。
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とは言っても、「何か一つだけ欲しいものを言え。愛とか平和とか、健康とかはダメだぞ」なんてランプの魔人に言われたら、どうしましょう。ううむ、それでも思いつきません。「お前は見どころがない」なんて魔人が帰ってしまいそうです。
