先日のブログで「パンどろほう」という絵本のことを書いたのですが、近所のガチャガチャにこの「パンどろぼう」のフィギュアがあって、思わず買ってしまいました。最近のガチャガチャは500円もするんですね。これ、明らかに子供をターゲットにしてないでしょ。
それで、出てきたフィギュアは大変に可愛く、密かに「妙なもの展示スペース」に飾ることになりました。旅行先で見つけた妙なお土産とか、他にもガチャガチャで手に入れたものとか、そういう方々に仲間入りです。誰に刺さらなくてもいいんです、しっかり私には刺さる面子なのですから。
書評を読んでいるとやたらに評価が高い本というのがあって、買うまでのことはしないまでも、図書館で借りて、どれどれとページを開いてみたりします。その結果、「これ、何が面白いの?」なんてことになるケースも多いのです。
というか、こういう経緯から読むことになった本で、私に刺さるものに出合うのは3割程度です。まぁまぁの打率で、最近の投手有利のプロ野球の世界であるならば、「よくやってるねぇ」ということになります。特に今シーズンのパリーグの投手というのはえげつなくて、これ、MLBのバッターでも打てないレベルです。ロッテの佐々木投手とか、オリックスの山本投手とか、本当に惚れ惚れしますもの。
さて、「刺さる」というのは、ほぼ100%、読者が置かれている状況に依拠する訳です。例えば、仕事における人間関係(同僚・取引先・顧客)に悩んでいる人がいたとします。まぁ、仕事の悩みというのは、これがほとんどなんですけどね。それで、その悩みというのは傍目からみれば実にバカバカしく、どうでもよいことだったりします。
そんな人に合理的に、分析をして、理屈でこれをどうやって乗り越えるか、なんてエライお医者さんの本が刺さるかと言えば、刺さらないのです。そもそも、感情の問題なので、理屈で乗り越えられることはないのですから。それにそんなときの悩みって、著者の先生には分からない様な「卑小なもの」だったりするのです。自分側の非が8割くらいだったり…
すると、そういう人にはどんな言葉や、どんな内容が刺さるのか。答えは「同じように悩んだ人が苦しんだ挙句に取った行動、思考」なのです。最近は誰でも情報発信ができる様になったので、こういう「普通の人」のこともいろいろなメディアから知ることができ、「分かる、分かる!」なんて言いながら、自分の抱えている問題を一度他者の物語として客観視することができます。「普通の人」の「普通の行動や考え」、これ、本当に助かるんですよね。「刺さる」んです。
本でも映画でも音楽でも、そして「人」でも、「刺さる」ものに出会うのは偶然みたいなところがあります。本当に必要なものは、必要なときに、何かの力が出会わせてくれる不思議を感じます。
いつの間にか、61歳の誕生日が間近に迫ってきました。60歳になったときよりも「61歳」という年齢に、ショックを感じています。完全に「向こう側」に行ってしまう感じがするのです。間もなく「向こう側」ではなく、「こちら側」になるんですけどね。