父母の命日が共に11月にあることから、今日はお昼にレタスチャーハンを食べて、車で1時間強離れたお墓まで行って来ました。本当はきちんと命日に行くべきところを「手抜き」しているのです。昔から、そういういい加減な息子であったので、きっと「しょうがないねぇ」などと二人して言っているに違いありません。
墓参り、大好きなのです。特に誰もいない様なときに行くことが。今や貴重な「誰にも気兼ねせずに訪ねていける場所」の一つです。15時前に到着し、管理事務所で花と線香を買って、少々急な坂を上っていきます。
墓地には墓参者の姿はないものの造園業者の方が数名いて、落ち葉を片付けたり、周辺の木の剪定をしている様子でした。日暮れまであと2時間もありませんので、そろそろ撤収の方向でしょうか。
59歳の少し手前まで永らく勤めた会社を早期退職するに際して、東京都の職業訓練施設にある「造園土木」の6ヶ月コースの見学会に行ったことを思い出しました。もともと植物、土いじりが好きだったので、新しいチャレンジとして、こんな仕事もいいなと思い、確か1月?に行われた見学会に出掛けていったのです。
この前後で、他の施設に他の訓練コースの見学会にも出掛けていきました。真冬の時期で、随分と心細いを思いをしたことを覚えています。また、一方では事前に分かっていたこととは言え、見学会の参加者は当時60歳手前だった私よりも随分と若い人たちばかりで、その真剣さに自分の立場も忘れ、大いに感心をしたのです。
結局は「造園土木」も他の訓練コースも受講することなく、前の会社を辞めてすぐに次の会社に勤め始めることになりました。有難いことでした。けれど、あのタイミングで「造園土木」の基礎となる訓練を受け、これに関連する仕事をしていたら、今頃、どんな毎日を送っているのだろう、という興味もあるのです。
そもそも年寄りですから、造園業者には雇ってもらえなかったかも知れません。それでも、何とか、どこかの公園管理、緑地管理なんて仕事を見つけることができたかも知れません。そんなに求人が多い仕事ではありませんので、まったく別の仕事への方向転換をしていたかも知れません。兎にも角にも、年寄りにも年寄りなりの未来の選択肢があった訳です。
墓地では私よりも年配の「職人さん」といった雰囲気の方が、黙々と「ブロワー」を使って落ち葉を一ヶ所にまとめる仕事をしています。そして、そんな姿を遠目で見ながら、「こういう仕事、したかったんだよな」などと思ったのです。
今日の様な「穏やかに晴れた秋の午後」ばかりではなく、屋外の仕事ですから、大雨の日があったり、重い土砂を運ぶときがあったり、作業完了の締切に追われて切羽詰まったりと大変な思いをすることも多いに違いありません。単に「目の前の仕事」を楽しそうだなと思っただけなのです。まるで子供の様に。
管理事務所に水桶と柄杓を返し、家路に着きました。そうそう、令和5年の「暦」をいただきました。これ、各月の暦が記されたページの下の方に書かれている「コラム」の様な部分に、「どきっ」とする言葉を見つけることがあって、毎年楽しみに読んでいるのです。まだまだ先と思っていましたが、もう来年のことを考える時期でもあるのですね。