いろいろなことがあり、いろいろなことを考えた一年でした。

3月末に、35年間働いた会社とそこで出会えた素晴らしい仲間たちのもとを離れ、自分と向き合った静かな暮らしを始めました。

自由に生きて、必要なだけ働く

19世紀の中ごろに、アメリカ人のヘンリー・デイヴィッド・ソローが深い森の中で2年2ヶ月2日にわたって行った自給自足の実験が「ウォールデン 森の生活」という回顧録にまとめられています。この本でソローは自然の中での暮らしの喜びを綴ると共に「不必要なものを手に入れるためする労働の必要性」を問い掛けます。「一年に六週間ぐらい働けば、生活費はすべてまかなえる」、これが当時、彼が自分にとって最も大切な生活を送るために必要として算出した労働量です。6週間×7日÷12ヶ月=3.5、即ち、週に一日働けば、それで、自分が最も大切にしたい生活を維持できるのです。不要なものを極力排除し、自分の手を使って、自分の体を使って、自分でしっかりと考えて、やり残したことがない様に生きる。この本は今のミニマリストと呼ばれる人たちのバイブルともなっています。また、民主主義でもなく資本主義でもなく、強欲主義が闊歩する今のアメリカにおいても、この本は多くの人々に読み継がれています。

私はミニマリストではなく、不必要なものを欲しがり、大した収穫も得られない庭仕事に没頭し、スポーツや芸術などの享楽に身を委ねた時間を過ごすのが大好きです。家族と共に暮らし、こんな生活を維持するのに必要なだけ働く。今の私がしているのは、そんなシンプルなことなのです。私とソローでは、その志や精神の高潔さにおいて、天と地程の違いがありますが、「自由に生きて、必要なだけ働く」というソローの考え方や言葉が妙に自分が望んでいたものにしっくりと来たのです。ブログのタイトルはここから来ています。

誰にも迷惑を掛けず、大して役には立たないけれど、よき市民としての務めを果たす。税金をきちんと払い、せっせと消費をして経済活動に寄与する、企みも野心もなく黙々と働いて、その労働に相応の収入を得る。私が早期退職をして始めたのは、そんな生活です。

本当はそんなに自由で、楽しいことばかりではなく、セコくて、がちゃがちゃと騒々しい毎日が続いているのです。それでは、よいお年を!

今年の最後はowl cityの胸がキュン!とする名曲で幸せなひとときをお過ごし下さい。ハレルヤ!

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