社会人の学び直し、最近はリカレントというのだそうですが、これに国が本格的に取り組むとされています。先日のNHKのTV番組「“中流危機”を越えて -第2回 賃金アップの処方せん」ではドイツでの「リスキリング」の事例が紹介されていました。日本でも「学び直し」「リカレント」(繰り返し、循環)なんて言わずに、職業訓練による「今必要とされる技術の再習得」(リスキリング)とした方が分かり易い様に思います。
これからAIや先端のITが至るところに適用され、業務の自動化、ネット上でのサービス化が急速に進み、先ずは企業のホワイトカラーから順に大量の「職あぶれ、人余り」が発生すると言われています。
一方でIT関連のプログラマーやオペレータなど、「今必要とされる技術者」が不足することから、これらの余った人たちに「再職業訓練」が施されて、不足するところに再配置する、というのがざっくりとしたこれからの社会シナリオなのだそうです。
NHKのTV番組ではドイツの会社の会計部門の人が「今後仕事を失う確率:100%」なんて診断が下されるシーンがありました。それではどうするか?そこで「リスキリング」という訳です。いつの間にか「厳しい世界」が私たちの周囲に到来していたのです。「学び直し」なんて言うと何だか「ほのぼの」とした感じですけどね。
この対策、どうやら高齢者は対象外の様子で、以前のエントリにも書いた様に高齢者は「高齢者労働市場」というのが、別枠で用意される様に思います。そこでは、自動化、ロボットによる代替をするにはコスト面で間尺に合わない「現場仕事」があてがわれることになります。(結局、昔も今も同じで、これからも同じ)
少子高齢化を最大の要因とする「社会全体の痛み」を全世代で分かち合うために「高齢者も可能な限り長く働く」ことが唯一の解決策なのだそうです。どこで?高齢者労働市場で。自分の生活を守るためにも、それはそれで受け入れるとしても、何だか自分が「社会の枠の外」みたいなことが進んでいる様で少し寂しいのです。
確かに60歳にもなるオジさん、おジイさんがこれから「リスキリング」も「学び直し」も「リカレント」もあったものではありませんけれど、目の前の(現場)仕事にばかり追われて、日々の慰安に没して、いつの間にか「社会の仕組み」や「世界で起きていること」が理解できなくなっているというのでは口惜しいじゃありませんか。
先ずは足元を固める、そして、これからも世界を十分に味わうために自分の知識をゆっくりでいいのでアップデートし続ける。まぁ、認知症防止にも役立ちますしね。いずれ「もういいや」ってことになりそうですけれど。