よく外部の講習や研修会などに行くと、昼食時や休憩時に席を離れるときには「貴重品」は持っていって下さいね、などと主催者から注意をされることがあります。まぁ、参加者のリストがあったり、少人数の催しであったりした場合にはそんな心配は不要と思いますが、大きな会場でほぼ参加者が「不特定多数」で占められている様なイベントでも、平気で一切合切を席や机に残してそこから離れてしまう人がいます。平和で安全な国。
ところ変われば、よく知っている場所の「当たり前」が「当たり前」ではなくなってしまいます。ある職場では机の上に例え財布を置いたまま家に帰ってしまっても、それが翌日に出社した際に無くなっていることはありません。一方ではロッカーを与えられ、施錠(例えばダイヤル式)をしていたとしてもそれを開けられて盗難が起きることだってあるのです。
後者においては、例えその被害を職場の管理者に訴えたとしても、こう言われてしまうかも知れません。先ず、開けられてしまう様な簡単な数字、推測され易い数字を設定する方が悪い。続いて、そもそも会社に取られて困るものを持ってくる方が悪い。これ、最近ではパソコンのログインパスワードの設定において、同じことが言われます。イヤな世界になりました。
本来、そんなことがあっては困るのですが、一般的な職場のロッカーに付いている「鍵」など、本気で突破を図れば容易に開けることができるものなので、あれは「開けてはいけませんよ」という警告文の様なものだと思わなければならないのかも知れません。
ちなみに、3桁の暗証番号(1,000通り)なら解錠まで20~30分、4桁の暗証番号(10,000通り)なら解錠できるまで7時間程度が必要だとか。(出典:『和気産業の「符号錠(文字合わせ錠)」の秘密を大公開』和気産業「いいものチャンネル」/鍵トラブル解決のための豆知識(スマイルレスキュー))
意外と短時間で開いてしまうことに驚いてしまいます。
私の様な中高年であっても、まだまだ、何らかの点から社会に関わっていかねばならない訳ですが、当然ながら、そこでは世代の違う人たち、言葉すら通じない人たち、善悪の価値観が違う人たち、モラルに欠けている人たち、そもそも悪意を持っている人とも接しなければならないことを忘れがちです。平和ボケならぬ「安全ボケ、安心ボケ」です。
ところ変われば「当たり前」も変わることを改めて心に留めて、「困ったり、泣いたり」しない様に「自分を守る」ことを考える。そう、世界は自分が思う様にはできていないのです。
何故急にこんなことを書いたかと言えば少し怖い目にあったので。とある場所でちゃんと施錠していたダイヤル式のロッカーの鍵を、誰かが開けようとした痕跡があってかなり不気味だったのです。それも一度ならず数回にわたって。
まぁ、行かない訳にもいかない場所なので、自衛策として、もうそこには一切の貴重品は持っていかないことにしました。まさか、そんなことが「当たり前」の場所ではないでしょうけれど。くわばらくわばら。