「時間は自由になるけれど、やりたいことが多くて忙しい」という状況が、3月末での早期退職後、ずっと続いています。いい加減、余計なことをしなければよいのですが、「あれもしたい、これもしたい」と泳いでいないと死んでしまうというサメのように忙しなく動いているのです。
そして、今日からチャレンジしているのが「お菓子作り」です。 パン作りに関しては随分と腕をあげ、今は週に一度は焼いていて、我ながら美味しいものができる様になりました。これで自信をつけ、先ずはアイスクリームを作ることにしたのです。
今はネットで検索すると簡単にレシピを見つけることができるので、それに従い、必要な材料をスーパーで購入してきます。ミルク、卵(卵黄)、砂糖、生クリーム、バニラエッセンスです。
卵黄と砂糖を混ぜ、ミルクと生クリームを温め、これらを合わせ、バニラエッセンスを垂らし、冷やし、冷凍庫に入れ、3時間くらいしたらかき混ぜ、さらに40分おきに数回かき混ぜます。夕食後のデザートとするために逆算をして、昼食後に卵を割り、作り始めました。意外と短時間で「アイスクリームになるであろう液状のもの」を冷凍庫に入れることができました。
私の父は乳業メーカに勤めていて、工場長を務めた工場から昔はよく社販でアイスクリームを買ってきてくれました。そして、クリスマスになると、私が育った家ではスポンジの上にクリームとイチゴが乗ったケーキではなく、「アイスクリームケーキ」を食べていたのです。ホール状の大きなアイスクリームケーキ、今思い返しても最高の楽しみでした。どの部分を母が切り分けてくれるか、どきどきしながら待ちました。 思えば、アイスクリームはずっと私の身近にあったのです。
しばしば冷蔵庫に通い、冷凍室のアイスクリームをかき混ぜ、ついに初めての手作りアイスを食べる瞬間が来ました。 市販のものの様な滑らかさはありませんが、ざくざくっとした歯触りで、とても美味しくできました。カミさんもおいしいとパクついてくれているので、間違いなく上手くできたのです。 今年のクリスマスのデザートの皿には私の作るアイスクリームも加えてもらうことにします。クリスマスに食べるアイスクリーム、思えば父が会社を退職した年以来かも知れません。あの頃、父がどんな面持ちで社販のアイスケーキを抱えて家に帰ってきたのか、想像するに何だか笑ってしまいました。