何も起きない日々が続いていますが、とくに不満も退屈もありません。何も起きないとは言っても連日の猛暑もあり、庭や鉢の植物の管理をしたり、夏バテ気味の愛猫のケアをしたりと余計なことを考える余裕もない程に忙しいのです。まぁ、これが私が望んだ「静かな暮らし」なのですが。

子供の頃から「イベント」的なものが苦手で、結局それが克服できないままに今に至っています。遠足やら運動会やら修学旅行やらを何とか切り抜けたと思ったら、会社に入り、更に沢山のイベントが待ち構えていた訳です。新年度発足式、誰かの歓迎会/送別会、表彰式、忘年会、新年会、年度末納会… 結局1年中何かのイベントが続きます。

「仕事にはメリハリが必要だよ」などとエラい人たちは訓示を垂れます。しかし、こうもイベントが続いて、しかもサラリーマンたるもの、ただ弛緩して参加しているという訳にもいかず、絶えずある程度の緊張はしていたのです。それに、今と違い、昔はほぼ強制参加でしたよね。よくまぁ、35年間もこの連続の日々を過ごしてきたものです。メリハリではなく、ハリハリだもの。でも仕事はだらだらとやってたよねと言われると返す言葉もありません。

退職後の生活は単調なものに陥りやすいので、いろいろとやることを見つけて「メリハリ」をつけましょう といった趣旨の記事や動画をよく目にします。当たり前のことですが、結局は人それぞれで、私の様に「これでイベントから解放された!」という人にとっては自ら進んでイベントに身を投じるなんて考えも及びません。退職後の静かな生活において、本当に退屈してしまい、「何か面白いことがないかな」と思うタイミングが来るまでは無理せずに「何も起きない日々」を粛々と過ごすのも悪くないかなと思っています。私はわたしですから。

何でも英国の金融機関の調査では定年退職後・引退後に暇だと感じ始めるようになるのは、「10ヵ月後」なのだそうです。英国なんて「イングリッシュ・ガーデン」の世話なんかしてたら、ほぼ永久に「暇だ」なんて思いもしないと思いますけどね。まぁ、みんながみんな広大な庭を持っている訳でもなく、ガーデニングが好きな訳でもなく。


サラリーマン人生の最後のイベントって「自分の送別会」なんですよね。有難いことに私はいろんな方に何回か「送別」していただいたのですが、このイベントだけは不思議と妙な解放感があって、いそいそと出掛けていったことを思い出しました。「送別会」ってたすきリレーみたいですよね。皆、会社に残った人に見送られて去っていく。

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