資格試験対策の王道は「過去問」、つまり「過去にその試験で出された問題を解く」ということになります。決められた知識範囲から出題するのですから、何十回も試験が行われている場合、出題側がどんなに頑張っても新しい問題を捻り出すことには限界があります。故に同じような問題が繰り返し出題されることになります。
そして受験生はせっせと過去問と解くのです。まぁ、これまでの経験からすれば、どんな試験も、テキスト×1冊と過去問集×1冊、そして、時間とやる気さえあれば合格できるのです。落ち着いて勉強する場所が確保できない場合には高いお金を払って「資格スクール」に通うことも有効です。この場合、「ちゃんと通わなければ払ったお金がもったいない」という別のモチベーションも勉強の後押しをしてくれます。
さて、退職をした後、これまでの仕事を継続して行う場合を除いては、雇用延長にせよ、再就職をしたにせよ、多くの退職者は「比較的単純」で、まるで「新入社員がする様な」仕事をすることになります。そこで、私たちはこれまでに自らが経験してきた「過去問」を解くということになります。まぁ、その後には「資格」も何も待っていないんですけどね。
<過去問1>
♪担当者になる
もはや誰もあなたの仕事をサポート、フォローをしてはくれません。あなたが担当者(最前線)であり、常に上司や周囲への「ほうれんそう」が必要になります。報告/連絡/相談、あなたが若い社員に口を酸っぱくして指摘したことを今度は自分が実践しないといけないのです。しかも当面は「どんなに些細なことであっても」です。
それから、あなたの上司、業務管理者は間違いなく「年下」です。これまで年下の上司に慣れていない方、これはこれからもずっと変わらぬ「与件」です。それなりに言いたいことがあったとしても「変わらないものは受け入れる」のみです。まぁ、向こうもあなたと扱いについては十分に気を使っていることと思いますので、お互いに上手くやりたいところです。
<過去問2>
♪常に「丁寧語」「敬語」を使う
兎にも角にも「新しい職場」ではあなたは「一番の新入り」です。どんな人にも先ずは「丁寧語」を使うことが必要です。「年寄り風」を吹かして、「年下の大先輩」に接すると相手は間違いなく「カチン」ときます。この感情は職場で他の人にも伝染し、孤立無援の中、あなたは「居場所」がなくなります。自分が新入社員だった頃の「誰とでも丁寧に接する」という過去問をきっちりとやる必要があります。特に、年下の人間であれば誰にでも「くだけた調子」で話すという妙な習慣が身に付いている人は注意が必要です。よくいるでしょ、お店の店員さんに「馴れ馴れしく大声で」何かを言っているオジサン、オバサンたち。
<過去問3>
♪Excelを使う
再就職後、どんな職種についても今や「メール」と「Excel」から逃れることはできません。これは警備や介護といった「現場系仕事」についても同様です。メールはともかくとして、しばらく自分でExcelに触れていなかった方、決められたセルへの入力しかしたことがなく「初歩的な計算式」ですら設定した経験が無い方は、大至急「Excelを使う」という過去問をやっておく必要があります。とにかく仕事で「Excel」が使えないと、初日から「使えない老人がきちゃったよ」という芳しい評価が下されることになります。
また、現場には必ず「Excel大王」みたいな人がいるので、この人が作ったシートに関して、改善点などを不用意に指摘するのも避けねばなりません。みんな看板で生きているのです。
再就職をして未経験の仕事に就いた場合、「これまでの経験」の中、役に立つのは「自分が担当者としてバリバリやっていた頃」のものだけだと私は思います。「腕一本で勝負」を心掛けたいところです。
よく求人情報に「あなたの経験を活かして下さい」などと書かれていますが、逆に中高年以降、管理職についた後の経験や考え方、身に就いた「手の抜き方」といったものは、新しい職場では邪魔にしかならない様に私は思っています。確かに「これまでの経験」を活かし、「過去問」を賢く解いて、仕事を早々に覚え、スムーズに新しい職場に溶け込むことができれば、これに勝る「基礎技術」はありませんけれど。
「前の会社では…」という話は誰も喜びません。禁句ですね。ご注意下さいませ。
GWもいよいよ残り僅かとなってきました。あぁ、誰か4/29の朝に時計の針を戻してくれないかしらん。