「ため息」は何かの原因があって、出力(output)されるものです。それでは、その人の何が入力(input)となって「ため息」が生まれるのでしょうか。今日のエントリは兎角「ため息」をつくことも多くなった私が、その神秘に迫ります。馬鹿馬鹿しい、などと「ため息」をつかないでね。

<ため息の原因>
ため息とは「無意識にしてしまう大きな吐息」のことです(往復で吸ってしまうと「深呼吸」になってしまいます、体にいい感じです。落ち着いた気分になります)
人はどんなときに「ため息」を吐くのか:イライラしている、面倒くさく思っている、呆れてしまった、我慢している、心配している(悩みがある)、緊張している、安心した、感動した

確かにこれらの「心の動き」があって、無意識に「フーッ」とため息をついてしまいます。面白いのはネガティブな感情だけでなく、ポジティブな心の動きであっても「ため息」をついてしまうことです。
ため息をついていると近くの人から「どうしたの、ため息なんかついちゃって」と突っ込まれることになっています。これ、ため息をつく根本の原因がこの問い掛けの相手だったりすると本当にウンザリします。「そうですね、私がどんなに丁寧に説明をしても、あなたが少しも理解しようとしないので」などと、言ってみたいものです。フーッ。

<「ため息」は必要な体の仕組み>
「ため息は、バランスが崩れた自律神経の働きを回復させようとする、体の作用。いわば、機能回復のためのリカバリーショットといえます」’ ※引用元:日経ビジネス 「ため息」は体にいい? 悪い?(2016.6.16)

会社で「あくび」をしていると怒られますが、「ため息」をついていると心配されます。「あくび」が動物において「何に役立っているか」はまだ不明だそうですが、いつか、非常に重要な意義があることが分かったりすると、「気にしないであくびをしてくれ」などということになるかも知れません。まぁ、しっかり眠っていれば「あくび」は抑えられるので、あまり弁解の余地はありませんが。
「ため息」は「自律神経(交感神経、副交感神経)」のバランスを回復させるという重要な役割をもっているならば、「ため息」をつかない様にしようなどと思わない方がよい訳です。少し安心しました。フーッ。

<「ため息」に関する言葉>
♪ため息をつくと幸せが逃げる(俗言)
♪恋ってのは、それはもう、ため息と涙でできたものですよ(シェイクスピア)
♪ため息は心の言葉である(トマス・シャドウェル、英詩人)
♪溜息(ためいき)ごとに人は百歩ずつ後退する(太宰治)

シェイクスピアの「言葉」は「お気に召すまま」(As you like:1599)の中の有名なものですね。今から400年以上前の喜劇であるにも関わらず、まったく色あせない台詞です。
恋をすると「ため息」をつくものなんですね、オジサンはすっかり忘れてしまいました。結婚してからの「ため息」なら、よく知っているんですけどね。

<猫もため息をつくにゃん>
猫も「ため息」をつきます。勿論、「あくび」もします。「ため息」というか、鼻からフーッと息を吐きます。猫のため息の原因は、集中力が切れた/緊張感から解放された/ホッとした/落ち着こうとしている というものだそうです。※出典:ねこちゃんホンポ 猫がため息をする4つの理由とその時の気持ち(2020.10)

ずーっと一緒に暮らしていると、猫って実は「いつでも全力投球の生き物」なんじゃないかと思うのです。常に五感を働かせていて、イザというときには瞬間的に驚くべき身体能力を発揮する。だから、長時間の睡眠が必要なんじゃないかってね。安心してぐっすり眠ってくれ、どんなに寂しくても夜中にオジサンを起こすのは勘弁してね。

50代くらいから、これから先、ずーっと、ため息をつくことが増えていく様に思います。脳は老化により「怒りっぽく」なっているにも関わらず、自らの感情の起伏に対して「いい年寄りが大人げない」というブレーキも強烈に頭の中で踏まれるのです。そんなとき、こぼれ出てしまうのが「ため息」で、フーッと大きく息を吐いて、結局は終わりにするのです。
さだまさし先生も歌っているじゃないですか、「ため息つけば、それで済む」ってね。ポジティブな心の動きによる「安堵のため息」が「あなた」や「私」に増えていきます様に。

「ため息」をつくことが、実は体によいこと、体と心を守るためのものだと分かったので、これからは安心して、人前でも憚らず「ため息」をつくことにします。
「どうしたんですか?」と聞かれたら、正直に、包み隠さず、「自律神経の働きを回復させようと思ってさ」と答える様にします。二度と心配をしてもらえなくなりそうです。

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