時々でよいので誰かが自分のことを気に掛けてくれている、ただそれだけで大丈夫です。後は自分で何とでもできるのです。神さまから「優れた才能」や「人を魅了する容姿」といったギフトを何一つ授かることがなかったとしても、私たちはしぶとく生きていける。
これまでだって、随分と長いこと走り続けてきたのですから。
今や「孤独・孤立」は社会問題です。内閣官房を中核として「孤独・孤立」に関する取り組みがなされ、「孤独・孤立対策担当大臣」という方もいます。恥ずかしながら、まったく知りませんでした。
少し「豆な知識」を幾つか。「日本では26歳の女性が最も孤独である」「孤独感に伴う経済損失について英国では年間約5兆円と試算されている」「日本のオジサンは世界で一番孤独」 確かに国を挙げて取り組む必要がありそうです。
思えば、年賀状って「人のことを思う」のに丁度いい仕組みですよね。一年に一度、相手のことを考えてハガキを書く。もっとも最近だとパソコンのディスクにある宛先データを使って、プリンタがバリバリと印字をしてくれるので、相手のことを思っているのはあなたの友人ではなく、友人が使っているパソコンやプリンタということになるかも知れません。
それ故に、ほんの一言でも手書きのメッセージがあると随分とうれしい気持ちになります。一方で、多くの人が書く「今年こそ会おうね」などという約束が果たされぬままに、昭和から平成、そして、いつしか令和を迎えています。恐らく一生会うことはないでしょうが、十分に思いは伝わっています。あなたが私のことを覚えてくれているから、私は大丈夫。若い人の言葉を借りると「ずっともだよ」ということです。
さてさて、人は「ひとり」の時間をどう考えているのでしょうか。キリンホールディングスさんが行ったアンケート調査を見てみます。多くの(幸せな)人にとっては「ひとり」は孤独ではなく、楽しく、大切な時間であることが分かります。
※出典:キリンホールディングス 「一人時間の過ごし方」(2020.4)
Q:あなたが一番好きな時間はどの時間ですか?
A:男性、女性、全世代にわたり、圧倒的一位が「一人で過ごす時間」です。
少し驚きました。若いお父さんやお母さんは「子供といる時間」と回答するのかなと思っていましたが、一人がいいんですね。「全世代で一位」と先程書きましたが、一つだけ例外があるのです。それは「70代男性」で、第一位は奥さん(配偶者)といることなのです。一方で「70代女性」は男女問わず全世代の中のNo.1の比率で「一人で過ごす時間」がよいと回答しています。おじいちゃん、おばあちゃんの邪魔をしてはダメですよ。
Q:一人時間を欲しいと思うのはどんなときですか?
A:疲れているときを除けば、全般的に「何かに没頭したいとき」という回答が多く、「話すのが面倒なとき」「人間関係に疲れたとき」といった回答がこれに続きます。
人間にとって「ひとりでいる時間」って大事だったのですね。楽しいことをやって自分をアゲる、イヤなことから自分を隔離し心を守る。
けれど、こんな大切な「一人の時間」も孤独を感じている人たち、社会的に孤立している人たちにとっては耐えがたい苦痛の時間なのかもしれません。それでは自己回復が図れません。
ちなみに「猫ブログ」としては次のことを皆さんにお伝えしておきます。とても大切なことです。「猫は孤独には耐えられるが、退屈には耐えられない」。まぁ、耐えられないといっても眠ってしまうだけですけどね。
私もこのアンケートの大多数の回答のように「一人の時間」が大切で、大事にしています。けれど、それは家族であったり、今では滅多に会うこともなくなった知人や友人によって支えれれている時間でもあるのです。
当たり前ですが、孤独、孤立とは「ひとり」で過ごすことで感じるものではなく、誰とも気持ちが繋がっていないことがもたらす不安な気持ちなのでしょう。
すべての人の心に「あかり」が灯ります様に。