私が2021年3月まで勤めた会社はIT関連企業の中でも、いわゆる「SIer」と区分される企業でした。企業向けのコンピュータシステム(ハードとソフトとサービス)を提供し、企業における課題解決を図るのが会社の使命で、会社が提供するものはソリューション(課題を解決するもの)と格好よく呼んでいました。
私はそこで営業としてパッとした成績を残せず、商品やサービスの企画担当者として何とか居場所を見つけるという何とも情けない若き日々を過ごしました。結局は40代からは、組織運営や、営業計画の立案・管理といった仕事をしていました。役にも立たない私を定年間近まで、会社はよくぞ働かせてくれたものです。本当に有り難いことでした。
さて、そんな私でも昔からパソコンが大好きで、大学生のころ(1985年)には、NECの8ビットパソコンでプログラムを作って遊んでいました。当時としては結構に新しい遊びだったのです。それから現在に至るまで、MS-DOS、Windows3.1からWIndows11といった歴代のOSと戯れ、これまでに50台を超えるPCを購入してきました。新品だけでなく、ヤフオクでジャンクの様な中古PCを購入したものも含んだ台数ですが、パーツを交換したり、周辺機器を買ったり、きっと、これまでに高級車が買えるほどのお金を使ってきました。
早期退職をして、まだまだ継続して今も断捨離の最中なので、これまでせっせと積み上げてきた古いPCや部品も思いきって処分をしています。最終的には5台のPCを手元に残すことにしました。そして、これらをWIndows10のサポート期限である2025年10月まで延命させるために、少しだけお金をかけてこれらの断捨離で生き残ったPCのパワーアップを図ることにしました。というか、結局はまたいろいろと買ってしまった訳です。CPUの換装、メモリの増設、ディスクのSSD化といった作業を時間を見つけては、喜々として行っています。
さて、その中で、1台の少し非力なパソコンにubuntuという軽量なLinuxを載せてみることにしました。これまでも何度かubuntuは使ってきたのですが、今回は腰をすえて長期間付き合いたいと考えています。これに際して、私は一つのルールを決めました。いわゆる「解説本は買わない」ということです。ubuntuと仲良くなるために、ネットに転がっている情報だけを頼りに使い込んでいこうと決めたのです。すぐに解決はできませんが、寄り道をしながら、いろんなことを知ることができ、これはこれで十分によい趣味になっています。 いろいろとWindowsとubuntuでは、操作のお作法が違うので、これを意識してソフトウェアを使ったり、文字入力をするのは結構によい頭の体操にもなっています。
また、普通に「お任せ」でubuntuをインストールすると同時に導入される音楽プレイヤーである「Rhythmbox」というソフトウェアがあるのですが、このプレイヤーで再生される出力(音)が気に入っているのです。何というか、楽器やボーカルの一つ一つの音が何の誇張もなく、そのままに心地よく耳に響くのです。大したオーディオシステムを使っている訳ではありませんが、これまでに聞いてきた曲たちが「ubuntu+Rhythmbox」を経由して聴くと、とても新鮮に聞こえます。単なる思い込みなのだと思いますが、私の最近のちょっとしたマイブームです。