早期退職前は仕事をしながら、いろいろなことを考えていました。これは自分の将来においてプラスになるか、この仕事をするのは得か損かなどといったつまらないことが、どこか頭の片隅にちらつきながら毎日を過ごしていた様に思うのです。
早期退職後の現在の仕事は、昇進・昇給もなければ、やっている仕事が自分のキャリアのどこかにつながるということもありません。プラスに考えれば、終業の時間がくれば一日の仕事が終わるので、ストレスのない仕事です。まぁ、給料も少ないのですが..
そして、振り返れば、35年間勤めた会社で過ごした「様々なことに思い悩んだ日々」は実は素晴らしい毎日だったと思うのです。ストレスでいっぱいで、仕事を呪ったり、誰かを憎んだりもしましたが、それでも、労働を通じてその時代と繋がっていたのです。
今、季節は移り、この天国から自ら立ち去った私は改めて、自分だけの力で、再び社会や時代との接点を構築しなければならないのです。どんなに素晴らしい家族がいても、人間というのは、私という人間は勝手なものです。もう楽に過ごせばいいじゃないか、肩の力を抜いて生きればいいじゃないかと言われても、それはとても淋しいのです。
日本における会社というのは、いろんな意味で「素晴らしい場所」なのだと思います。 今、たくさんの本を読むことができる時間ができ、改めて今世界で起きていること、過去からの歴史を学んでいます。このことがどこに通じているのかは分かりませんが、どこか、自分が納得できる場所に通じていることを信じているのです。
退職してからの静かな日々で、私は改めて「自分」という業の深い存在に立ち向かっています。結構に手強い相手です。 きっと、今も昔と同じ様に私は恵まれた時間を過ごしているのでしょう。贅沢な、本当に贅沢な悩みですが、感謝と共に、日々の慰安に沈まぬ自分でいたいのです。ちょっと書生臭い内容でしたね。