我が家では目につくところに一切のレジ袋がありません。これは「エコ」の話ではなく「ネコ」の話なのです。多くの家の猫さんたちがレジ袋をかじってしまうのです。家の子も「どうやって見つけたの?」と思う程に、どこかにあったレジ袋を見つけてはカジカジしてしまいます。時には私のカバンの中にあるものですら発見されてしまいます。レジ袋から何かネコを引き付けて止まない匂いでも出ているのかなぁ。
誰もが違うようにできている。会社という「運命共同体」らしきものから下船してしばらくすると、誰もがそのことをガツンと思い知らされる様に思います。「大勢」から切り出されて、ポツンと一人、家へと帰っていくのです。そこに広がる「千差万別」の世界。
結局どんなタイミングであっても、その時点での持ち物は「その人がどんな人生を歩んできたか」そのものであり、犯罪的な行為でもない限り、そこには優劣もなければ、勝ち負けもありません。乱暴に言ってしまえば「ついている/ついていない」の違い程度に思います。生まれた時代、場所によっては戦争に巻き込まれて、何もかもが滅茶苦茶なんてことだってあるのですから。
退職、もしくはその辺りの時期になると勤め人の場合、結構に大きな「意思決定」を迫られることになります。そのときの選択におけるクライテリアの中では圧倒的に「お金」が優先事項ということになります。安定した暮らしが継続できるか、ほぼこの一点に基づく選択ということになります。
確かに住宅ローンが残っていたり、家族の介護が必要だったりした場合、「お金」の問題抜きに何か「踏み出す」なんて優雅なことはできません。これらの与件がない場合でも、まったく「お金には困らない」なんて人を除いてはある程度は収入を得ることが必要となります。
以前のエントリでも書きましたが、「ある程度」の目安は月10万円という線になります。このあたりの詳しいことは「ほんとうの定年後」(坂本貴志さん)という本に丁寧に解説されています。これからまだまだ働き続けるのか….とため息をついている方は一読すると、随分と気分が楽になりますよ。
まぁ、これは年金受給後の話(世帯で年金20万+他収入10万で合計30万円)でもあるので、退職後、年金受給までまだ何年もあって蓄えもそれ程にはない、なんて場合には、あとしばらく「お金」を重要課題として仕事に取り組まなければなりません。ツライところです。このあたりの事情も「千差万別」です。
ちなみに「自営業者を含む就業者全体の給与」というデータがあって、60~64歳という「定年は迎えたけれど年金はまだもらっていない」という年代では、年収で、●平均:357万円 ●中央値:280万円 ●上位25%:450万円 ●下位25%:140万円なのだそうです。
これが65歳から69歳という「年金受給が開始された後」では、同じく、●平均:256万円 ●中央値:180万円 ●上位25%:300万円 ●下位25%:96万円となっています。
※出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」 2019年
年金受給までは一所懸命がんばって、それ以降は「必要なだけ働く」というスタイルへの移行をしている様子が分かります。そして、みんな給料なんて「この程度のもの」で、したたかに生きている訳です。
さて、月に10万円を稼げばいいんだ!となった場合に、さて、何をするかなということになります。何となく、ワクワクした感じがします。しません?完全に気分はバイト探しです。というか実際に「バイト」ですから。早期退職後、「再就職の大冒険」?をした私の思い、考えなどを書いてみます。「シニア労働者体験談です。
「仕事があるだけありがたい」といった殊勝な考えはいったん置いておいて、この際、いろいろと我儘なことを考えてもよいのだと思います。だって、無理な仕事、苦しいだけの仕事なんて続きませんからね。そう、何を重視するかは「千差万別」ということです。
先ずは自分の健康状態と相談です。少しでも不安があれば、早朝、深夜の仕事は避けたいところです。オレ朝型なんだよね、夜型なんだよね、などといっても、もう昔とは違うのです。1回、2回ならともかく、これが毎度となると「バイトで健康を害する」といったことにもなりかねません。まぁ、シニア向けの仕事の多くは「早朝、深夜」だったりしますがね。
次は「仕事内容を考える」です。実際には「内容」は募集時にある程度分かっているので、ポイントは「職場環境」、特に「人間関係」ということになります。こればかりは最近の言葉で言えば「ガチャ」なので、行ってビックリということになります。
「誰もが違うようにできている」ので、自分以外はうまくいっているけれど、どうにも打ち解けない、空気が合わないなんてことも多々起きることになります。それどころか職場全体がギスギスしていて、争いごとが絶えないこともあるかも知れません。現役時代の職場の様に周囲が「同質化」されていないので、あれやこれやの大騒ぎが起きるのが普通です。というか、本当にびっくりしますよ、いろんな人がいて。正に「千差万別」です。
まぁ、しばらくは様子をみながら、何ともならない場合は「バイトで心をやられる」なんてことにならない前に退散するというのがよさそうです。大丈夫、きっと「楽しくやってるよ」と言える職場が見つかりますよ。
最後は「一人でやれる仕事」かなと思います。これはチームで役割を分担してやる仕事であれば何も問題はないのですが、流石に「上下関係」を求められ、「奴隷の様に何でも指示通りにやらされる」というのは、例え上司にあたる人がよい人であっても「ムリ」があります。
人間ですから、こんな仕事は少しずつ「澱」(おり)がたまっていき、とても長続きはしないのです。現役時代の様に「これは修行なんだ!」と思える訳もなく、実際にそれが報われる未来なんてものもその先にはないのですから。勿論、これも「千差万別」で、こういう仕事が好き!という人もいるかも知れません。或る意味ツワモノですね。
とにかく、退職後の世界は「千差万別」で、考え方によっては「とてつもなく自由」な世界が広がっています。「これまでの人生」がもたらしてくれた「現在」を与件として受け入れつつ、あまり余計なことを考えずに「したいこと」をする、それ以上に「イヤなこと」をしない。そのためにも、お金もそうですが、やはり心身ともに健康でいること、「それが一番大事」なんでしょうね。
あと何年かしたら、私も年金を受け取って、今の再就職先での仕事も終わりとなって、「月10万円を稼ぐ」ということになりますが、一体、そのときは何の仕事をしているのでしょうか。その頃は、「AI+自動化するよりも、人間にやらせた方が安い仕事」が結構にたくさんあって、低賃金で雇えるシニアの活用は大人気だったりするかも知れません。引っ張りダコか。